新物理学選書<br> スピングラス理論と情報統計力学

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新物理学選書
スピングラス理論と情報統計力学

  • 著者名:西森秀稔
  • 価格 ¥5,940(本体¥5,400)
  • 岩波書店(2023/09発売)
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  • ISBN:9784000074148

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内容説明

スピングラス理論は,磁性のさまざまな性質を解明するという目的をはるかに越えて,ますますその有用性が注目されている.たとえば情報理論における誤り訂正符号や画像修復の問題,さらにはニューラルネット,最適化問題などに確固とした成果をあげつつある.本書は理論の基礎につづけて,これらの成果と将来性をはじめて総合的にまとめた待望の力作.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

まえがき
1 相転移と平均場理論
1.1 Ising模型
1.2 秩序パラメータと相転移
1.3 平均場理論
1.3.1 平均場理論
1.3.2 状態方程式
1.3.3 自由エネルギーとLandau理論
1.4 無限レンジ模型
2 スピングラスの平均場理論
2.1 スピングラスとEdwards-Anderson模型
2.1.1 Edwards-Anderson模型
2.1.2 クエンチ系と配位平均
2.1.3 レプリカ法
2.2 Sherrington-Kirkpatrick模型
2.2.1 SK模型
2.2.2 分配関数のレプリカ平均
2.2.3 Gauss積分による一体問題化
2.2.4 鞍点評価
2.2.5 秩序パラメータ
2.3 レプリカ対称解
2.3.1 レプリカ対称解
2.3.2 相図
3 レプリカ対称性の破れ
3.1 レプリカ対称解の安定性とAT線
3.1.1 ヘシアン
3.1.2 ヘシアンの固有値(1)
3.1.3 ヘシアンの固有値(2)
3.1.4 ヘシアンの固有値(3)
3.1.5 AT線
3.2 レプリカ対称性の破れ
3.2.1 Parisi解
3.2.2 第1段階のRSB
3.2.3 第1段階のRSBの安定性
3.3 完全なRSB解
3.3.1 qのべきの和の積分表現
3.3.2 Parisi方程式
3.3.3 転移点付近での秩序パラメータ
3.3.4 相境界の垂直性
3.4 レプリカ対称性の破れの意味
3.4.1 多谷構造
3.4.2 qEAとq
3.4.3 谷の重なりの分布
3.4.4 秩序変数のレプリカ表示
3.4.5 超計量性
3.5 TAP方程式
4 スピングラスのゲージ理論
4.1 有限次元系の相図
4.2 Edwards-Anderson模型のゲージ変換
4.3 内部エネルギーの厳密解
4.3.1 ゲージ変換の適用
4.3.2 内部エネルギーの厳密解
4.3.3 相図との関連
4.4 比熱の上限
4.5 局所エネルギーの分布関数
4.6 自由エネルギーの下限
4.7 相関関数と相図の構造
4.7.1 相関等式と相関不等式
4.7.2 相図に対する制約条件
4.8 フラストレーションのエントロピー
4.9 スピン配向の非単調性
4.10 修正±J模型
4.10.1 物理量の期待値
4.10.2 修正±J模型と相図の構造
4.10.3 修正±J模型におけるスピングラス相の存在証明
4.11 ゲージグラス
4.12 動的相関関数
5 誤り訂正符号
5.1 誤り訂正符号
5.1.1 情報の伝達
5.1.2 スピングラスとの類似性
5.1.3 Shannonの限界
5.1.4 有限温度復号
5.2 スピングラス表現
5.2.1 条件付き確率
5.2.2 Bayesの公式
5.2.3 MAPと有限温度復号
5.2.4 Gauss通信路
5.3 重なりのパラメータ
5.3.1 復号化の尺度
5.3.2 重なりの上限
5.4 無限レンジ模型
5.4.1 無限レンジ模型
5.4.2 レプリカ計算
5.4.3 レプリカ対称解
5.4.4 重なりのパラメータ
5.5 レプリカ対称性の破れ
5.5.1 第1段階のRSB
5.5.2 ランダムエネルギー模型
5.5.3 ランダムエネルギー模型のレプリカ解
5.5.4 r=3の状態方程式の解
6 画像修復
6.1 確率論を用いた画像修復
6.1.1 劣化2値画像とBayes推定
6.1.2 MAPと有限温度修復
6.1.3 重なりのパラメータ
6.2 無限レンジ模型
6.2.1 レプリカ計算
6.2.2 重なりの温度依存性
6.3 シミュレーション
6.4 平均場アニーリング
6.4.1 平均場近似
6.4.2 アニーリング
6.5 パラメータ推定
7 連想記憶
7.1 連想記憶
7.1.1 ニューロンのモデル化
7.1.2 記憶と安定な固定点
7.1.3 ランダムなIsing模型の統計力学
7.2 有限個のパターンの埋め込み
7.2.1 自由エネルギーと状態方程式
7.2.2 状態方程式の解
7.3 多数のパターンを埋め込んだHopfield模型
7.3.1 分配関数のレプリカ表示
7.3.2 想起されないパターンの寄与
7.3.3 自由エネルギーと秩序パラメータ
7.3.4 レプリカ対称解
7.4 SCSNA
7.4.1 アナログニューロンの定常状態
7.4.2 信号と雑音の分離
7.4.3 状態方程式
7.4.4 2値ニューロンの例
7.5 ダイナミクス
7.5.1 同期的ダイナミクス
7.5.2 重なりの時間変化
7.5.3 分散の時開発展
7.5.4 甘利・馬被ダイナミクスの適用限界
7.6 パーセプトロンと結合空間の体積
7.6.1 単純パーセプトロン
7.6.2 パーセプトロン学習
7.6.3 パーセプトロンの容量
7.6.4 レプリカ表現
7.6.5 レプリカ対称解
7.6.6 非単調パーセプトロンの容量
8 学習の理論
8.1 学習と汎化誤差
8.1.1 学習とは
8.1.2 汎化誤差
8.2 バッチ学習
8.2.1 最小誤りアルゴリズム
8.2.2 レプリカ計算
8.2.3 最小誤りアルゴリズムの汎化誤差
8.2.4 学習不可能な課題の汎化誤差
8.2.5 学習不可能な課題のパッチ学習
8.3 オンライン学習
8.3.1 学習則
8.3.2 学習方程式
8.3.3 パーセプトロン学習
8.3.4 Hebb学習
8.3.5 アダトロン学習
8.3.6 学習不可能な課題のオンライン学習
9 最適化問題
9.1 組み合わせ最適化問題と統計力学
9.2 グラフ分割問題
9.2.1 グラフ分割問題とは
9.2.2 目的関数
9.2.3 レプリカ表現
9.2.4 目的関数の最小値
9.3 ナップサック問題
9.3.1 ナップサック問題と線形計画法
9.3.2 緩和法
9.3.3 レプリカ計算
9.4 シミュレーテッド・アニーリング
9.4.1 シミュレーテッド・アニーリング
9.4.2 温度制御と一般化された遷移確率
9.4.3 一様でないMarkov鎖
9.4.4 一般化された遷移確率による弱エルゴード性
9.4.5 目的関数の緩和
9.5 1次元ポテンシャル中の拡散
9.5.1 1次元での拡散と緩和
参考文献
あとがき
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shiro

0
理論物理・数理科学系の研究者向けなので数式使いは容赦無しだが、情報統計物理学において当時もっとも体系的にまとめられた書籍2008/09/30

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