内容説明
紫式部,清少納言と並んで王朝女流文学を代表する歌人,和泉式部.「永遠の恋の彷徨者」といわれるその和歌を,サッフォー,ルイーズ・ラベ,ディキンソンなど古今東西の女性詩人と比較しながら論じる古典エッセイ.詩的想像力,ことばの美しさ,内面の深さ等から,和泉式部を世界文学の中の最高の女性詩人として位置づける.
目次
まえがき
序 平安女流文学と和泉式部の位置
和泉式部小伝
I
恋・うかれ女
恋・待つ女
愛欲
II
未練・夫道貞への思い
勘当・父と娘
III
あくがれる魂
夢の歌
IV
喪失・帥宮挽歌群(一)
悲嘆・帥宮挽歌群(二)
V
涙・泣く女
母と娘・小式部哀傷歌
VI
手ごわい女
思惟の力
VII
憂き身と憂き世
死を見つめる眼
主要参考文献
あとがき