ビルマ 絶望の戦場

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ビルマ 絶望の戦場

  • 著者名:NHKスペシャル取材班
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 岩波書店(2023/10発売)
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  • ISBN:9784000245524

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内容説明

およそ三万の死者を出したインパール作戦.しかしその後の「撤退戦」で実に一〇万の命が奪われたことはあまり知られていない.勝算のない戦いに駆り出される兵士,逃亡する上層部――絶望の戦場の実態を兵士たちの証言や英軍による将校への尋問調書などから明らかにする.大反響を呼んだNHKスペシャル,待望の書籍化.

目次

序章 ビルマ戦 知られざる最後の一年
クーデター 厳戒下のミャンマー
ラングーン攻略からインパール作戦まで
太平洋戦争で最も無謀と言われたインパール作戦
インパール後のさらなる地獄 道徳的勇気の欠如
第1章 「インパール」後のさらなる地獄
ビルマの最後の一年に迫る「高木資料」
インパール作戦後の一年間
戦没者名簿から浮き彫りになるインパール後の「地獄」
第2章 大東亜共栄圏 同床異夢の大義
軍事クーデター後のミャンマーに入る
現地取材への模索
ビルマ国軍元少尉バティンさんとの出会い
ビルマの悲願 イギリス植民地支配から脱したい
独立運動のリーダー,アウンサン
アウンサンと南機関
日本軍統治下でのビルマ国防軍(BDA)の創設
ミャンマーの人々に刻まれた日本軍の記憶
強いられた「協力」
第3章 繰り返される無謀な戦い イラワジ会戦
インパール後の作戦指導の中心人物 田中新一参謀長
イラワジ河で英軍を迎え撃つ強気の作戦
事態の変化に対応できない方面軍首脳
今も生々しく残る戦いの傷痕 メイティーラ
戦場となった村
英軍機による空爆
マンダレーヒルの激戦
戦場の実態を記録した齋藤博圀少尉の日誌
圧倒的戦力差と疲弊する兵士たち
忖度による敵戦力の過小評価 要衝メイクテーラ失陥
前線にみられる統制の欠如
従軍看護婦たちの証言
経理将校から斬込隊へ 齋藤少尉が見た惨状
第4章 軍上層部の“道徳的勇気の欠如”
イギリスに眠る膨大な資料
イギリス人語学将校が見た日本軍
日本軍上層部の尋問調書
イギリス軍司令官が指摘した日本軍の欠陥
第5章 日本かイギリスか アウンサンの葛藤
アウンサンの失望 大東亜共栄圏の現実
日本軍に対する「革命」の始まり
水面下でのアウンサンの抗日活動
イギリス機密文書に記されたイギリスの思惑
櫻井徳太郎少将の日誌 ビルマ方面軍の皮算用
ビルマ国軍の蜂起
櫻井少将の苦悩
抗日一斉蜂起 ビルマ国軍元少尉の証言
若き日本軍将校の思い
第6章 危機迫るラングーン 司令部撤退の衝撃
イギリス軍,ラングーンに南下
ラングーンに残る戦争の痕跡
蘭貢高射砲隊・若井徳次少尉が残した史料
若井徳次少尉が見たラングーン「芸者と上級将校」
芸者の告白 萃香園の実態
ラングーン放棄の衝撃
撤退決断の司令官は“東條の子飼い”
大東亜共栄圏を支えた商社マンたち
商社日綿とビルマ
兵隊となった商社マンたちの悲劇
犠牲になった社員たち
支店長の悔恨
英軍のラングーン奪還
翻弄される若井少尉の部隊
第7章 忘れられた戦場 最後の一カ月 シッタン作戦
大東亜共栄圏の断末魔
日本人とビルマ人“殺し合い”の記憶
取り残された軍隊による絶望の作戦 シッタン作戦
敢威兵団 地獄の行軍
海軍少佐の記録 シッタン作戦の実相
作戦開始 マンダレー街道を突破せよ!
筒抜けだった作戦 イギリス軍語学将校ルイ・アレンの資料
魔のシッタン河 呑み込まれる日本兵
救護看護婦の悲劇
日本の終戦を知らず敗走を続けた堤少佐の部隊
第8章 戦争の惨禍 伝え残した記録
ビルマ戦 日本軍指導者たちの戦後
悲願を前に アウンサンの悲劇
語学将校ルイ・アレンが抱え続けた苦悩
惨禍を伝え残す 元将校たちの執念
終 章 日本の戦争 過ぎ去らない過去
ミャンマーの過去と現在 ビルマ国軍元少尉の思い
ある残留日本兵の遺言「トンボになって日本に帰りたい」
番組放送を終えて
参照文献一覧
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

42
インパール作戦後のビルマ退却戦について、ビルマの民間人、国軍所属者、英軍、日本軍将兵、参謀、商社マンなど、多様な視点からまとめてある。ビルマ戦線といえばインパール作戦が有名だが、実は撤退戦の方が戦死者がより多いのだという。民間人と日本兵の交流や加害、日本軍上層部の稚拙な作戦指導、ビルマ国軍の反乱、悲惨な撤退行軍の様相・・・。語り尽くせないほどの壮絶な実態が浮かび上がってくる。2023/08/15

どら猫さとっち

10
あのインパール作戦から、戦争の悲劇はまだ続いていた。ビルマ(ミャンマー)と日本との熾烈な戦争。参戦した日本軍の悲しみ、現地にいた戦争を知る人たちの苦しみ。丹念な取材を重ねた、NHKスペシャルで放映された番組を書籍化。終盤にある川に浮かび流れるホテイアオイの情景が、今も目に浮かぶ。いったい、どれほどの人が、この戦争の悲劇を知っているのだろう。2023/09/19

おやぶたんぐ

6
「戦慄の記録 インパール」(ttps://bookmeter.com/reviews/115578779)の続編というべきNHK取材班による執念を感じさせる一冊。インパール、レイテを経て、もはやまともな戦術すらない断末魔ともいうべき戦闘がなお続く。それは「「最悪の場合」ではなく「当然の帰結」」(防衛庁防衛研修所戦史室)であったにもかかわらず、なぜ現実となったのか。本書は問いかける。2023/09/24

ビーグル犬大吉

3
イラワジ会戦やシッタン作戦の敗北からわかるように、上の立場にある人間が肝心な時に逃亡したり、末端の少年兵や一般市民のような弱者を犠牲にした絶望の戦場だった。「報道番組が作るNスペには役割がある。それは、戦争の時代が今と連続性があるかどうか確認することだ」という言葉を読んで改めて納得した。また、今も続くミャンマーの内戦やアウンサンがビルマ建国の父であることも深く学べた。スリム将軍が指摘した、日本軍の指導者の根本的な欠陥は道徳的勇気の欠如というのは日本軍の敗戦の核心を付いていて、現代日本社会でも通じる。2024/01/01

とらまめ

3
祖父が従軍したインパール。 この戦争での後遺症で若くして亡くなった。 本当に無謀、無益な戦争。2023/09/23

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