内容説明
炎症や疾患研究をしていると必ず通る「線維化」ですが,その進展機構や実態を正しく理解できていますか?メカニズムと病態の両面からわかりやすく解説し,最新論文を読む前の学びはじめに最適な初の入門書が登場!
目次
【目次】
第1章 線維化(症)とは何か
第2章 線維化(症)を担うプレーヤー
1 線維芽細胞 機能的多様性と線維化,慢性炎症
2 炎症,回復,線維化とマクロファージ
3 マクロファージ以外の免疫細胞
4 血管内皮細胞
5 細胞外マトリクス
第3章 線維化(症)を制御するネットワーク
1 細胞間ネットワークの様式
2 サイトカイン・ケモカイン
3 細胞老化・SASP
4 細胞死
5 エクソソーム 細胞外分泌小胞の基礎から臨床まで
第4章 臓器・疾患と線維化(症)
1 皮膚
2 肝臓 微小環境による肝線維化と再生の制御
3 腎臓
4 肺
5 心臓
6 消化器 腸管組織障害エントロピーの統合的理解と消化器疾患
7 脂肪組織 さまざまな病態をもたらす脂肪組織の線維化
8 骨格筋
9 がん
第5章 線維化(症)の克服に向けて
Column
1 シングルセル解析とは
2 マクロファージ発見の父Metchnikoffの遺産
3 細胞系譜追跡実験
4 マイクロ流体デバイス
5 筋線維芽細胞の腎保護作用
6 オルガノイド
7 がんの物理学的特性
索引
執筆者一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シダネル
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肺病理を勉強していくにつれて、線維化とは何か?抗線維化薬は何に効くのか?と気になるようになってきたので手に取った。線維化に関する複雑な病態を、登場人物ごとにコンパクトにまとめられていて知識の階層化に非常に役立った。どうやら専門外の臓器の線維化に明るい臨床医はほとんどいないようなので、この辺りは自分で勉強していくしかない。2024/12/10
文狸
0
日常診療で線維化とか炎症とかって言うけどその実何が起きてるんや〜と思って手にとったが、基礎医学に自分って興味持てなかったよなということをよく思い出した。日々の診療に直結するわけでもないので、辞書的に使えるときがあればいいかなくらい。2024/07/08