内容説明
つつましい蕾は初めて、愛のせつなさと激しさを知り――RITA賞受賞作家L・カーライルが贈る、極上ヒストリカル。
1850年、英国。ある晴れた日に馬で出かけた男爵家長女ケイトは、見目麗しい紳士と衝突し、脳震盪を起こさせてしまう。慌てて屋敷に連れ帰るが、目を覚ましたとき彼はいっさいの記憶を失っていた。持ち物からわかったのはエドワードという名前と、彼が裕福だということだけ。医師にも絶対安静と告げられしばらく屋敷で介抱することになるが、彼はなぜか地味で冴えないケイトに興味を持ったらしく、誘惑めいた視線を向けてくる。どこの誰かも知れない人に惹かれてはだめ――そう自分に言い聞かせながらもケイトの胸は甘く疼き……。
■MIRA初登場! RITA賞受賞作家リズ・カーライルのヒストリカル・ロマンスをお届けします。1850年、英国サマセット。ヒロインのケイトは28歳のしっかり者で、気まぐれな妹と母に振り回されてばかり。結婚はとうに諦めていたのですが、ある日、事故を起こして記憶を失った見目麗しい男性を屋敷で介抱することに。自分のことを地味で冴えないと思っているケイトは、彼が求めてくるのは一時のことと言い聞かせますが…。まっすぐな性格でヒーローの癇癪もどこ吹く風と受け流し、軽妙な切り返しをみせるケイトにヒーローが惹かれるのはよくわかる気がします。熱いロマンス、ヒーローの過去に秘められた謎、魅力的な脇役や犬(!)も登場する、読みどころのつまった本作をどうかお楽しみください!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
21
記憶喪失物かあ…と思いつつ読んだら、いやいやひねってあります!ろくでなし放蕩者父&兄に財産を食いつくされ、懸命に家を立て直してきた女男爵(有能女子)が恋に落ちたのが、聡明な公爵家の庶子で賭博場の経営者というひねくれっぷり。脇役もみなかきまわしっぷりが楽しい。困ったママ(屈折した才女)、ママの長年の思い人の無茶っぷりが大人な恋でにやり。小粋なロマンスでした。2016/07/17
ドンニ
15
行き遅れの女男爵ヒロインと、記憶喪失になった賭博場のオーナーヒーロー。ヒーローがヒロインを美の女神ヴィーナスではなくかまどの女神と称した所が面白かった!家庭と愛情が無かったヒーロー、美人ではないけどヒロインの聡明さ正直さにメロメロ。ヒロインのヒーローへの想いの深さもよかった。ヒロイン母の不器用な愛し方に苦笑したけど、それでも母親の愛情を感じた作品。オチもよかったし、全体的に良くまとまってた。⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 星42016/11/12
すっちゃん
11
⭐️⭐️⭐️⭐️ 最初、プロローグと記憶を失ってからのヒーローのギャップに違和感があったが、まあ話は面白かった。ヒロイン母に持っていかれた感が強いが、それぞれのキャラが立っていて分かり易く、それを上手く纏めたなという感じ。エピには笑えた。2018/01/27
uni
10
女男爵と記憶喪失の賭博場オーナーのロマンス。脇役陣も個性的で、特にケイトの母オレリーがいいキャラだった。久々のリズカーライル面白かった〜。2016/05/31
kyara
7
今まで読んだリズカーライルとはややタッチが違ったけれど…恐るべし!オレリー((( ;゚Д゚)))瓶にヒラリと飛び込んだのは最高だった。2016/05/23