内容説明
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一般的に調査・観測データには欠測が生じることが多く、適切な欠測データの処理をしなければ、解析結果に偏りが生じることがある。多重代入法は、尤度解析法と並んで最も汎用的な欠測データ解析法であるが、これまでの書籍では理論的な解説が主で、実際の応用事例や具体的な手順の記述が少なかった。そのため、実証分析を行う社会科学者や実務者が多重代入法を実際に活用することにはハードルがあった。
本書は、ワンポイントとして代入法を中心に解説している。平均値のt検定、重回帰分析、ロジスティック回帰分析、時系列分析、パネルデータ分析といった社会科学において頻繁に使用される分析手法に関して、データに欠測が生じている場合に、多重代入法を用いてどのように欠測データを処理していけばよいかを具体的に示している。
事例で扱ったデータとRコードが掲載されているので、読者は本書に示された手順を再現しながら、欠測データの解析法を学んでいくことができる。主に、ウェブ上で入手可能な実データで解説しているので、実践的な技能が身につく。本書は、座学として単に読むだけでなく、ぜひコンピュータ上で実際に処理を体験して欲しい。それが、欠測データの解析法を理解し、修得する近道である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
shin_ash
6
長い間積読だったが、可能であれば欠測値処理がしたくて多重代入法が気になったので読んでみた。本書は多重代入法を中心に欠測値の処理について実践的に書かれている。パラメータの推定精度の向上が目的ならば、多重代入法は有効な選択肢に思える。多重代入法を実施する上で重要になるのが代入モデルであるが、これは分析で最終的に得たいモデルに対してネストした関係でないと適合性で問題が出る。そこで気になるのが自分のやりたい事がパラメータの推定精度の向上なのか?という事だ。分析が何らかの仮説に対する検証だとしても仮説に相当の自信が2023/06/19
Józef Klemens Piłsudski
1
欠測メカニズムが MAR 前提の話が多かったので, まあそうかと納得できるとこは多かったけど新しい発見があまり感じられなかった.2018/05/31
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