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内容説明
現存する自民党最古の派閥、宏池会が生んだ5つの政権のドラマを通じて、戦後政治の軌跡を描く骨太の読み物。
・池田勇人、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一、そして岸田文雄。宏池会政権はすべて時代の激動期に直面し、政治のギアチェンジを担ってきた。長く政治取材を続けたジャーナリストが、自らの記事も織り込みながら、宏池会政権の軌跡をたどり、戦後日本の政治の歩みを振り返る。
・政治から経済、行財政改革、自衛隊海外派遣、政治改革、安保3文書の改定、原発再稼働、新しい資本主義など、時代の節目で、なぜ宏池会政権は改革を行ったのか、現実主義=リアリズムという視点から解説する。
目次
序 章 宏池会とは何か
第1章 池田政権 所得倍増計画――豊かさを求めて駆け抜けた1575日
第2章 大平政権 負担をかかげ挫折、党内抗争にもみくちゃになった554日
第3章 鈴木政権 行革と財政再建にかけて挫折した864日
第4章 宮沢政権 国際貢献と竹下派構想に苦闘した644日
第5章 岸田政権 「ゆるふわ」で安全保障・原発をスルリと大転換
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nishiyan
12
長年、永田町を取材してきた政治記者による宏池会政権5代の興亡史。著者の政治記者としての振り出しが大平正芳首相番からだったということもあって、大平への思い入れが強い印象を受けた。鈴木善幸政権誕生から終焉までの流れは興味深く読ませてもらった。中曾根康弘の運の強さとしたたかさには驚かされた。岸田文雄首相の言を引く形だが、著者は宏池会を徹底したリアリズムを追求した集団であると規定している。創始者池田勇人元首相以外は前政権の課題を取り組むことで志半ばとなったものが多いように思えるのだが、岸田政権はどうなるのだろう。2023/11/20
mm71
3
池田、大平、鈴木、宮澤、岸田の宏池会の首相。ギアチェンジという切り口が面白い。安全保障と原発稼働、2つの大きなギアチェンジを行った岸田政権はリアリストかつなかなかしたたかに見える。2023/10/04
しびぞう
3
読んでよかった。新書だからさらっと読めるかと思ったらあちこちの頁で手が止まった。政治家はものすごく先を見て施政方針演説や所信表明演説をしているのだと思い知らされた。特にp76にあった1979年の大平首相の施政方針演説「財政があらゆる要求にそれなりに適応することができた高度成長期の夢は、もはやこれを捨て去らねばなりません」には目を見開いた。半世紀ほど前に既にこういった見識が示されていたというのに、なぜ今の日本はこうなのかと頭を抱えてしまった。主権在民という言葉の意味を改めて考えたい。2023/10/04
孤灯書屋
2
⭐️⭐️⭐️2024/10/06
独
1
自民党の戦後政治を支えた派閥宏池会の総理大臣を分析し 並べた書籍。 宏池会の保守本流と呼ばれ得る矜持を感じられる2025/04/26




