内容説明
未知の世界に憧れるまま、足掛け29年にわたりモロッコから西アジア・インドを経て中国まで行脚。14世紀における三大陸の諸情勢を活写した紀行文学の最高峰。ナビゲーション:高野秀行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
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マルコ・ポーロより50年遅れて生まれたイブン・バットゥータはイスラム教徒である。22歳の時、聖地メッカの巡礼を行った後予言者の墓参りをする旅を思い立つ。22歳と言えば大人「正業は?先立つ物はちゃんとあるのか?」と不安になるがイスラム教徒の旅はお遍路と似ている。メッカ巡礼が奨励されており、旅の途中で必ず助けてくれる人が現れる。リアル聖地巡礼は至れり尽くせりで素晴らしい。イスラム世界無双である。条件が良いとはいうもののそれなりに世間の波にもまれているならともかく初めての一人旅に出すとは本人も家族も度胸がある。2023/06/19