ちくま新書<br> 古代史講義【海外交流篇】

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ちくま新書
古代史講義【海外交流篇】

  • 著者名:佐藤信【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2023/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075819

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内容説明

邪馬台国、倭の五王の時代から平安時代の鴻臚館交易にいたるまでの時代を追って、日本列島と中国の隋・唐や高句麗・百済・新羅・加耶など半島諸国、さらに渤海といった東アジアとの多面的な海外交流の実情を解説。諸地域との間に起きた政治的事件や文化交流をテーマとした十五講で最新の研究状況を紹介しながら、時代背景としての列島古代の国際的環境の実像を明らかにする。東アジア的視野から海外交流・国際関係をとらえ直し、グローバルな歴史像を展開する新しい古代史。

目次

はじめに……佐藤 信/第1講 「魏志倭人伝」と邪馬台国……仁藤敦史/はじめに/「魏志倭人伝」の史料批判/倭国王の成立/「東夷伝」の世界観/公孫氏・魏王朝との交渉/第2講 倭の五王とワカタケル大王……森 公章/はじめに/倭の五王の通交と王権構造/記紀の伝承と倭の五王/記紀と銘文刀剣の世界/「治天下大王」とその行方/残された課題/第3講 筑紫君磐井と東アジア……佐藤 信/筑紫君磐井の戦い/筑紫と東アジア/倭の五王/倭王武の上表文/ワカタケル大王/磐井の戦いと東アジア/『筑後国風土記』逸文の磐井の戦い/岩戸山古墳と石人・石馬/大王と地方豪族/第4講 加耶と倭……田中俊明/加耶とは何か/加耶諸国と倭との関係のはじまり/「任那支配論」について/百済と新羅の加耶進出/「任那日本府」と加耶関係の終焉/第5講 百済と倭……三上喜孝/百済という国/七支刀銘文にみえる百済と倭/広開土王碑文にみえる百済と倭/五世紀の文字史料にみえる百済と倭/武寧王と倭/暦の伝来/倭系百済官人/百済木簡の中の倭系百済官人/第6講 高句麗と倭・日本……中野高行/高句麗の建国と領土拡大/高句麗と倭国の対立/高句麗と倭国の交流/高句麗滅亡/高句麗壁画の影響と高麗楽/高句麗系渡来人/渤海国と日本の高氏/第7講 新羅と倭・日本……柿沼亮介/はじめに/新羅の国家形成とヤマト政権の朝鮮半島進出〈四世紀~五世紀〉/新羅の領土拡張と三国の抗争〈六世紀初頭~六世紀半ば〉/隋・唐の成立と白村江の戦い〈六世紀末~七世紀半ば〉/新羅・唐の対立と日本〈七世紀後半〉/新羅・日本の関係悪化と交易〈八世紀〉/「海商」と「海賊」の時代〈九世紀〉/おわりに/第8講 仏教の伝来と飛鳥寺創建……中林隆之/仏教の伝来と「公伝」/仏教「公伝」をめぐる史料と研究史/仏教「公伝」の実相/飛鳥寺の創建/飛鳥寺の伽藍配置とその系譜/飛鳥寺創建の意義/第9講 遣隋使と倭……吉永匡史/隋の建国と東アジア情勢/倭国遣隋使の派遣──開皇二十年遣隋使をめぐる問題/第二次遣隋使と国書/裴世清の来訪と倭国の対応/留学生・留学僧の派遣とその影響/第10講 白村江の戦いと倭……酒井芳司/百済救援戦争と白村江の戦い/三国の抗争と加耶/隋唐による中国統一と韓半島諸国・倭国の権力集中/百済滅亡/白村江の戦いと百済・倭連合軍の敗北/第11講 渡来人と列島の社会……亀田修一/渡来人とは/筑紫の渡来人/吉備の渡来人/畿内・王権の渡来人/畿内・大和葛城の渡来人/渡来人からみた王権と地方/考古学からみた渡来人の役割/第12講 奈良時代の遣唐使……河野保博/遣唐使とその派遣目的/唐に派遣された人々/唐へ向かう行程と祭祀/「日本」の国際社会への参画/「四つの船」による積極的な文化摂取/人を介した外交と学び/継続される外交と文化摂取/第13講 鑑真の渡日……田中史生/鑑真を伝える史資料/伝戒の師を求めて/渡日の決意/賑やかな東アジア海域/鑑真の来日/第14講 渤海と日本……浜田久美子/渤海の建国/日本への遣使/藤原仲麻呂の渤海外交/平安初期の日渤交流/東アジア海域での交易拡大/渤海の滅亡と日本/渤海史研究と日本/第15講 鴻臚館と交易……菅波正人/鴻臚館とは/筑紫館の成立/対外関係と変化と筑紫館/海商の来航と鴻臚館/鴻臚館と唐物交易/鴻臚館交易の終焉/交易拠点の移行──鴻臚館から博多へ/おわりに……佐藤 信/編・執筆者紹介/凡例

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

12
読みどころは日本と百済、新羅、高句麗など朝鮮半島の諸国との関係や渡来人に関する章だろうか。(個人的に日中関係についてはある程度知識を有しているという事情もあるが……)日本と新羅の関係は、両国が対立しつつも自国中心の国際秩序を形成するうえで互いに互いを必要としていたというのは、著者は現在の日韓関係になぞらえているが、日中関係の方が当たっているような気もする。その他の章では鑑真の章が存外に面白く、鑑真の専著を読んでみたくなった。2023/09/09

(k・o・n)b

7
弥生時代〜平安時代まで、15のトピックで古代日本の海外交流を扱う一冊。森公章「倭の五王とワカタケル大王」:つい最近読んだ河内春人『倭の五王』と比べると、こちらが所謂通説に近い説なのだろう。こっちを先に読めばよかった…。佐藤信「筑紫君磐井と東アジア」:磐井はある程度ヤマト王権に従属しながらも対外的に自立性を有し、「磐井の乱」を国家に対する反乱ではなく、国家形成以前の大王と王の戦争と捉え直す。こういう視点の転換は面白い。三上喜孝「百済と倭」:稲荷山鉄剣と百済の6世紀の木簡に共通する文字が人名に使われており、→2025/05/12

fseigojp

6
渤海までの交流が詳述 2023/10/28

takao

3
ふむ2024/05/15

眉毛ごもら

3
久しぶりの新刊。海外交流についてである。邪馬台国の記録から鴻臚館まで。古代の基本的な外交関係については網羅されてるので最新研究知りたい時にちょうどいい。参考文献も多いので困ったときに助かりそう。邪馬台国に関してはタイムマシンの完成を待つしか無いね!という諦観。ひみつのヒミコちゃん。そして我が国含め近隣各国バチバチしてた。最新研究では伽耶(任那)への影響力がだいぶ小さめになってたり。渤海については謎すぎて気になるので間接ではない史料でてこないかなと思いつつ場所が場所なので出てこないだろうなという悲しみ……。2023/09/27

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