存在のすべてを

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存在のすべてを

  • 著者名:塩田武士【著者】
  • 価格 ¥1,999(本体¥1,818)
  • 朝日新聞出版(2023/09発売)
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  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022519320

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内容説明

平成3年に発生した誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる。質感なき時代に「実」を見つめる者たち──圧巻の結末に心打たれる、『罪の声』に並び立つ新たなる代表作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

396
事件と犯人と捜査を描く通常のミステリに対し、塩田さんは事件に巻き込まれ運命が狂った群像劇を主題とする。未解決に終わった二児同時誘拐事件から30年後、被害者のひとりが画家になったことから若き日に事件を取材した記者が再調査を始め、停まっていた時間が動き出す。思いがけず誘拐された子を預かってしまった夫婦が、情が移った子供を慈しんで育てる前半は息苦しいほどに読ませる。その夫婦をはじめ関わった人びとは、口外できない秘密を抱え必死に生きていく。彼らの苦しさ、切なさが収束していくラストの光景は、まさに魂のドラマなのだ。2023/10/05

fwhd8325

342
誘拐事件が発端でありながら、事件を追及する楽しみ以外の要素が大きく存在を誇示していく。とても感動的な物語でした。鏤められた社会の闇が、物語を一層高めています。なかなか言葉で表現できませんが、とても心地よい気持ちです。2023/12/06

hirokun

328
★4 神奈川二児同時誘拐事件をテーマにした犯罪小説なのかと思って読み始めたが、途中から写実絵画、子供へのネグレクト、家族愛、青春恋愛、美術界の裏幕など様々な要素を含みながら、最後は切ないストーリーを展開している。私の表現力がないため、この作品を読んでの感想がうまく伝えられないのが残念。2023/10/11

のぶ

276
物語は平成3年に神奈川県内で発生した二児同時誘拐事件から始まる。犯罪小説かと思い読み進んだが、ストーリーは思わぬ展開を見せていった。誘拐事件から数十年経った現代、ある雑誌に1人の画家が過去の事件の被害者であったことが掲載されることから、新たな方向に進む。それを契機に当時、事件の記者を担当していた主人公の門田は、ジャーナリストの集大成として、過去に何が起こったのかを探り始める。冒頭の誘拐事件がずっと引きずっていて、ラストに進むにつれ切なさが深まり、いろいろな感想を抱ける優れた群像劇だった。2023/09/21

やっちゃん

274
いきなりのクラシックな警察小説に興奮した。が、中盤以降はミステリより人間ドラマがメインでしたね。面白かったからいいけど。絵を、その絵を見せてくれと何回思ったか。逃亡生活って当人はともかく読む分にはドキドキでホント面白いよなあ。2024/04/13

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