内容説明
期待されながら伸び悩む若手刑事たちの元に、警視庁本部から送りこまれる謎の男、向井光太郎。捜査上の失態を悔やみ、男社会での自身の立場についても苦悩する女性刑事。取り調べ係を目指しながら、容疑者である有名俳優相手に苦戦する刑事、尾行が苦手な刑事。彼らそれぞれに的確なアドバイスを与えるその男は、警務部人事二課所属だった。経験を積み、本部の捜査一課所属となり出会った三人は、向井との関わりを語り合い、彼の知られざる過去を探り始める。彼の過去と三人が担当する女子大生殺害事件が交錯し、見えてきた思いも寄らぬ事実とは?/解説=古山裕樹
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
487
『コーチ』だからスポーツものと思うなかれ。見込みはあるのにイマイチ突破口が見えていない所轄刑事のもとに送られる「コーチ」…それが向井刑事だ。そんな彼に指導を受けた3人が警視庁捜査一課に集められ、最初に出くわした女子大生殺害事件。こういう斬り込み方があったか、という新しい警察小説。ひとりひとりのキャラも立ち、作品内で活き活きと動いているのがいい。わたしは西条推し(笑)拡げられた風呂敷の隅っこに畳忘れがあるので、これもシリーズかな。楽しみだ。2025/10/02
KAZOO
99
題名からすると堂場さんのスポーツものかと思いきや警察ものでした。主人公は人事課所属の部長刑事で所轄に派遣されてきます。二部構成になっていて、一部では将来性ある若手の刑事を補佐する役目が中心となっています。二部ではその補佐を受けた人物たちが同じ部署になりその補佐してくれた人物の過去を探り出そうとします。いままでとは異なる堂場さんの警察小説ですが、やはり楽しめます。シリーズ化はしないのでしょうね。2023/10/27
ヒデキ
52
唐沢寿明さんのドラマから入りました 年齢的に小説とドラマは、違う展開になると思いますが、 面白い展開になることを期待しています 仕事の技術のマニュアルで伝わらないことを伝える難しさを警察を舞台にして描いていると思われています2025/11/01
カブ
40
タイトルは「コーチ」。スボーツ関連の作品が多い堂場先生だから、きっとマラソンや駅伝などの運動系かと思いきやまさかの警察小説。コーチ役の向井がさりげなく助言する場面がいい。面白かった。2025/11/06
タケチヨ
34
堂場先生初読み。前半は若手刑事たち3人の話でリーダーとしての立ち振舞い、取調べや尾行捜査の難しさに苦戦する彼らに的確なアドバイスをする謎の男向井とのエピソード。後半は成長した彼らが向井を巻き込んで1つの殺人事件の解決に奮闘するという内容で中々面白い構成だと思った。スポーツ界などで使われがちなコーチという単語だが先輩から後輩への技術継承という点で言えば本作のような警察に限らずとも一般企業にも必要な存在なのかもしれない。教え子である刑事たちの劇的な成長ぶりがそれを物語っている。2023/12/25




