内容説明
島田荘司推理小説賞受賞!
21世紀の『十角館の殺人』がマレーシアから登場
最愛の妻を亡くし引退したベストセラー作家がある日、
ふと目を覚ますと、そこは見知らぬ孤島だった。
やがて桟橋に船が着き、老若男女が島に降り立つ。
一行はデジタル機器に囲まれた日常の疲れを癒し、
本来の人間性を取り戻す「デジタルデトックス」のために
島に渡って来たという。
メンバー相互の会話や、視線を合わせることさえ禁じられ、
読書やメモをとること、音楽を聴くことも不可。食事は菜食のみ、
そして殺生も厳禁という環境の中でデジタル・デトックスが始まるが、
やがて残酷な連続殺人事件が発生する。
作家はそのすべてを目撃するのだが、
なぜかメンバーたちの目には彼の姿が映らないらしい……。
華人系マレーシア人の女性作家が、
ミステリ界の巨匠・島田荘司氏が提唱する21世紀本格に応えて放った、
〈21世紀の『十角館の殺人』〉!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オフィーリア
71
「島田荘司氏絶賛!」「これぞ21世紀の十角館だ!」この帯だけで相当数のミステリファンが釣られるのではないでしょうか。デジタル・デトックスの為孤島に訪れたメンバーに襲いかかる連続殺人事件、そしてクローズドサークルに密室殺人、更には何故か他人から認識されなくなったミステリ作家。率直な感想を言えば十角館という偉大な先人と比較するのは気の毒かなと。中々に読み難いうえに、真相も捻りすぎた感がありました。それでも「21世紀の本格を切り開いてやるぜ」という熱い志は伝わってきましたので今後も追い掛けてみたい作者様です。2023/10/12
藤月はな(灯れ松明の火)
58
デジタル・デトックスの為に孤島に集まった人々。だが、そこで瞑想プログラムに取り組む内に不可解な殺人事件が起こる。ここまでは普通の推理小説だ。しかし、ある点が違う。事件を目の当たりにするのは推理作家だが、彼の姿は誰にも見えないというのがその点だ。第五章の観察者・被観察者による推理の擦り合わせは三津田信三作品や『毒入りチョコレート事件』を連想し、中々、楽しい。動機が判然としないのに首を捻ったが、最後まで読んで表紙の的確さに唸るしかない。後、「人は自分が知っている事を基にした推論しかできない」は言いえて妙。2023/12/10
さっちゃん
54
第7回金車・島田荘司推理小説賞受賞作。21世紀の『十角館の殺人』と紹介されていたので読んでみた。/デジタル・デトックスのために孤島に訪れた参加者が次々と殺される。誰が、何のために、どうやって殺したのか。そして視点人物としてその場にいるはずの作家は、誰の目にも映らず声も届かない…。/意欲作だと思うし、予想外の結末に驚かされたけれど、いまいち物語に入り込めないまま読了。私の理解力不足なのか柔軟性が衰えているせいなのか…。不思議な謎解きパートは簡潔でわかりやすかったけど、真相に何だかモヤモヤ。2023/11/15
うまる
34
21世紀の十角館という触れ込みですが、すべFだと思いました。テクノロジとミステリで新時代が来たと衝撃を受けたのはすべFだから。詩や煙に巻くような問答もそれっぽいし。推理パートは、色んな事がカッチリはまって面白かったです。概念や常識を覆す所がとても良い。設定が違うだけで、ミステリの核部分が2番煎じ3番煎じのものよりずっと読む価値がありました。こういうのは、お年寄りだと、わからないつまらないと一蹴しそうなのに、これを推した島田さんは流石だなと思いました。陳浩基を輩出した賞ですし、著者の2作目に期待したいです。2023/11/30
yutan2278
20
最愛の妻を亡くし引退したベストセラー作家が、ある日目を覚ますと、そこは見知らぬ孤島だった。やがてやって来たのは「デジタル·デトックス」ツアーの参加者たち。メンバー相互の会話や、視線を合わせること、読書や音楽を聴くこと、メモを取ることまで禁じられ、殺生も厳禁という環境の中でひたすら己と向き合うのだという。しかしそこで殺人事件が発生した。作家はすべてを目撃するが、何故かメンバーの目には彼の姿は映らない…。 設定は面白かったのですが、これはSFなのでは?期待していただけに残念でした…。2023/11/10
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