リンカーン・ハイウェイ

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リンカーン・ハイウェイ

  • 著者名:エイモアトールズ【著】/宇佐川晶子【訳】
  • 価格 ¥4,070(本体¥3,700)
  • 早川書房(2023/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 1,110pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152102652

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内容説明

刑務所から出た18歳のエメットは、母が暮らしているはずのサンフランシスコに車で弟と向かうことに。だが、その車はエメットの悪友二人に奪われてしまう。車を取り戻すためエメットはNYに弟と向かうが--。10日間の少年4人の旅と成長を描く傑作ロードノベル

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

71
本作品の約700ページはたった10日間のロードノベルだ。主人公たちは未成年、その人生において10日間は一瞬だ。しかしその一瞬は人生を大きく変える。1954年、彼らの選んだ旅は思いがけない方向へ進んでいく。アメリカ大陸を移動し、様々な登場人物と人生を交差させる。その一人ひとりの人生が丁寧に描かれ、個性を際立たせる。この旅はどこで終わるのか、どんな結末になるのか、全く先が読めなかった。アメリカならではの作品、10日間の旅は結末も含め面白かった。2023/09/23

シャコタンブルー

63
表紙と帯から軽快なロードノベルと思っていたが全く違った。むしろ霧の中を漂い彷徨う10日間だったように思えた。ここに登場する3人の18歳の若者誰もが不幸だ。家族との葛藤や生い立ちもあり全てに不信感しか抱いていない。友人でも平気で裏切り、刹那的な行動をする彼等に危惧する。そこには信頼できる大人が誰一人もいない現実があった。だが旅を通して怪しい大人を見分け、信頼できる大人と心を交わし成長していく姿は好ましい。暗くて重い旅だが8歳のビリーの言動が心のオアシスになり清涼感を与えてくれたのが救いとなった。2023/10/02

たま

61
エイモア・トールズ3作目。期待して読みはじめたが、エメット兄弟をかき回すダッチェスに苛々し、プロットを見失って茫然となり、それでも676頁読み終えると感動がこみ上げてきた。エメット兄弟もダッチェスとウーリーもサリーもユリシーズも、過去を振り返らず(落とし前はきっちりつけつつ)ネブラスカからNYへ東海岸へ西海岸へ何かを求めて大陸横断ハイウェイを、大陸横断鉄道を移動する、そのダイナミズムがこの小説のテーマと見えて来た。若い登場人物がみな強烈な風格を備え、作中の偉人伝の人物たちのようで忘れがたい。2023/11/16

seacalf

58
べらぼうに面白かった『モスクワの伯爵』のエイモア・トールズの新作。序盤はまどろっかしさを感じたが、途中からは各キャラの魅力のおかげでのめり込み、1950年代の米国の息吹をたっぷり感じながら今回も楽しませて貰った。主人公エメットの友人ダチェスに翻弄されつつも憎めない彼の振舞いに魅力を感じ、そして弟ビリーの言動に癒される読書だった。『アバカス・アバーナシー教授による、英雄、冒険家、その他の勇敢な旅人の要約』、本当にあったら読んでみたいなあ、ないけど。サリーを含めた兄弟2人の後日談が出てくれたら嬉しい。2023/11/21

ヘラジカ

50
ロードノヴェルというと単線的なものを想像するが、こちらの作品は作者自身が述べた通り非常に”多声的”で、主人公は7人(あるいはそれ以上)にも上る。個性的なキャラクター、抜群のリーダビリティ、そして作家の良心が窺い知れる豊かな物語に終始魅了された。650頁を超える長大な旅路は読者を飽きさせる隙が一切なく、その終幕に措いてはただの易しい物語に終わらせない驚きが待ち受けている。読み手それぞれ三者三様、複雑で捉えがたい感情を抱きながら本を閉じるに違いない。金字塔との言葉に偽りなしの海外文学好き必読の傑作である。2023/09/08

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