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内容説明
明治天皇まで多妾が容認された天皇家は、一夫一婦制、子どもを家庭で養育する近代家族へと大きく変わった。これは、恋愛結婚で家庭をつくった戦後の明仁皇太子・美智子妃からとされる。だが、実はそれ以前、大正・昭和の皇后をはじめ多くの皇族たちが、近代家族をめざし、その時代なりの恋をしていた。本書は、明治以降、上皇夫妻や眞子内親王まで、皇室の150年に及ぶ歴史を、さまざまな恋愛を切り口に描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
24
なかなか面白かったです。1931年高松宮喜久子妃の若く溌剌とした美しい写真、30年後には反美智子妃となるんだなぁ。次は今上天皇、秋篠宮、御二方について書くことが課題とのこと。2022/11/16
宇宙猫
18
★★★ 明治に外国にならって一夫一婦制を取り入れることになり、皇族の結婚相手探しが慎重かつ大変になった。それなりに面白かったけど、タイトルには不満。恋愛というのはこじつけだし、恋愛というなら入れるべき今上と秋篠宮には一切触れていない。本来は明治から昭和までとするところを 売るために眞子内親王を付け足したのが見え見えで、最後にがっかりした。2022/07/26
ジュン
7
上皇上皇后両陛下の「世紀の御成婚」はセッティングされたご結婚(アレンジ婚)だったとし、皇室の恋愛は政治/社会的状況に規定されてきた事を明らかにする。その上で眞子さまのご結婚は自己決定権を行使し、ガチな「平民」と結ばれた画期として評価する。スリルにみちた一冊だ。2022/04/07
みさと
6
明治以降の皇室の歴史を家族・結婚のあり方という観点から捉える。明治天皇は多くの側室を持ち、お子たちは全員が側室の子であった。しかし、明治後期以降、欧州の王族に範を取り、大正天皇は一夫一婦制の近代家族を作った。当時の国民は天皇家に夫と妻が惹かれあって結婚し子どもをなすという新しい家族のあり方を見て大歓迎した。そしてそれは現上皇と美智子妃とのご成婚に国中が熱狂した時代へと続く。皇族でも旧華族でもない女性と皇太子が恋に落ちた物語が「作られた」背景を分析する。しかし、眞子内親王の自由な恋愛に基づく結婚に対しては?2022/07/22
つまみ食い
4
明治以降の天皇家の恋愛について、ロマンティック・ラブや日本社会における恋愛観(「大衆」の水準、あるいは政治・外交的戦略の中での)との関係から捉えている。ご成婚パレードへ乱入した「投石少年」が当時は意外にも石原慎太郎や永六輔らに受け入れられていたのは興味深い2022/07/02