中公新書<br> 女学校と女学生 教養・たしなみ・モダン文化

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中公新書
女学校と女学生 教養・たしなみ・モダン文化

  • 著者名:稲垣恭子【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2023/08発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121018847

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内容説明

旧制高等女学校の生徒たちは、戦前期の女性教養層を代表する存在だった。同世代の女性の大多数とはいえない人数であったにもかかわらず、明治・大正・昭和史の一面を象徴するものだったことは疑いない。本書は、彼女たちの学校教育、家庭環境、対人関係の実態を検証する試みである。五〇年弱しか存在しなかったにもかかわらず、消滅後も、卒業生たちの思想と行動をコントロールし続けた特異な文化の再発見。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

12
レポート用に読了。明治期の女学生についてから戦後の女子大生批判まで取り上げた研究書。特に興味深く読んだのが第一章「文学少女」と第二章「女学生の手紙の世界」。女学生が読書やら手紙やらを禁止されていたことがあったとは思いもよらなかった。2014/01/06

いりあ

10
京都大学大学院教育学研究科長の稲垣恭子氏が、主に明治・大正・昭和(戦前)の女学生についてまとめたもの。最後の章では戦後の女子大生についても扱っています。今や絶滅(危惧?)種である女学生の実態を「文学少女」「手紙」「堕落次女学生」「ミッション」などのキーワードで考察しています。当然、ある程度裕福なお家のお嬢様が中心なのですが、日記や手紙からは、当時の女学生が現代のイメージよりもかなりアグレッシブな生活をしていたことがわかります。学生文化は過去から現代へ一本道で繋がってるんだなと思ってみたり。2018/08/19

おらひらお

6
2007年初版。当時の言説と元女学生に対する聞き取りによって作成された一冊です。1910年代以後、中流以上の家庭の女子は女学校に行くのに違和感を抱かれなくなる時代になったそうです。実用よりも教養志向という女学校の傾向は、実学重視の今日からするとうらやましい限りです。あと、戦前はz図書館に行く女子がほとんどいなかったそうです。2013/09/11

すのさん

4
「良妻賢母」育成のための「実用知」から遊離し、西洋的な教養を志向する存在になっていった女学生に対する違和感や反感が、軽佻浮薄で虚栄的な女学生という認識を生みだした。女学生の「広く浅く」教養と大衆文化を楽しむ姿勢は知識人層からすると「軽薄な知」であった。努力や禁欲によって教養を身につけ、内面による人格形成を目的としていた知識人層にとって、自らの知的好奇心の赴くままに広く浅く学問を楽しみ、かつ外見や社交に広がる文化を築く女学生は、まさしく軽薄な存在であったのである。軽薄、消費される学問は現在にまで系譜を引く。2020/10/27

てくてく

4
明治期から昭和初期にかけての女学校と女学生についてまとめたもの。実学と教養。読書が不良と目された時期があったこと、結婚までの短い自由を満喫する人たちもいたことなど、自分が持っている女学校のイメージが裏付けられた。2017/07/16

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