内容説明
東京から遁走して着いた四万十川の辺は、生死の境を越えた聖なる空間だった。――流される日々の中でみた夢。祖父が晩酌の時間にこぼす愚痴。母の洗濯物を干す音。父の風呂場から聞こえてくる音痴な歌。十数年の生死の記憶が詩的な言葉で鮮やかに蘇る。青山真治が「最後の映画作家」と激賞した逸材が放つ心を揺さぶる世界!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
5
病の母と祖父。やがて来る別れを予期し、向き合いたくない気持ちを抱え、日々を過ごす。私たちは誰もがだれもと別れなければならない。だが、そんな日が来ないかのようにして、日々生きている。欺瞞を抱えながら、どうすれば毎日をやり過ごすことができるのだろう。言葉の密度があまりにも濃くて、ゆっくりと読んだ。2023/12/17
pegasos
2
BialystocksのVo.甫木元空さんの小説 母親の病気を機に母の故郷の高知に戻った主人公。 多少読みづらいし、死と向きあう話しなので重たい。けど自然豊かな高知の描写とその地に生きる人々の生活に癒やされる。2026/05/10
ありんこ
2
Bialystocksの音楽を最近知り、小説も読んでみました。映画化されていて、監督も。多才な方ですね。高知の四万十川周辺の自然豊かな風景、日本特有の死生観、これに音楽が加わったらどんな映画になるのだろうと想像しながら読みました。MV監督作品もいくつかみましたが、前野健太さんの「戦争が夏でよかった」は、甫木元さんのご家族の映像が使われているようで、とても良かったです。これからも追い続けたいです。2026/03/08
羽田
2
東京都写真美術館の写真展と映画を見て購入。映画とかなり違って面白い。映画だと、母が夢のようだったけど、シナリオ版だとノロが夢のようだよね。小説版にしか出てこない人たちも魅力的。沈下橋で行方不明になったおじさんとかね。また映画が見たくなった2025/11/05
S
1
渋谷SPBSでのイベントにて購入、その場で甫木元さんに名前入りサイン頂けてとても嬉しかった…! 序盤、甫木元ワールド全開で面白かった。所々ビアリの曲の歌詞も。 自然の描写が豊かで、風景を想像しながら読むのが楽しかった。土佐弁や四万十川周辺の様子、植物についてたくさん知れた。 あと、カタカナがよく出てきて昔の小説みたいな読み心地だった。 お母様の18年前のお手紙が素敵。 映画の方はかなり抽象的なので、小説版読んでからにして良かった。 Quicksandの曲たちに対する理解が少し深まった、気がする。2024/09/21




