内容説明
クラスで一人だけCマイナス――。7年勤めた会社を辞め、義肢装具士を目指す26歳の二階堂さえ子は専門学校の製作実習で最低評価を受け、激しく落ち込む。同じ班のメンバーは内気だが実力抜群の戸樫博文と、ピンク色の髪にドクロの服を好む永井真純という個性派だったが、次第に打ち解けて切磋琢磨してゆく。けれどさえ子には隠しごとがあって……。つまずいても立ち上がる大人のお仕事小説。(解説・彩瀬まる)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
87
5年ぶりの再読です。今回のお仕事テーマは『義肢装具士』です。相変わらず作者さんのお仕事シリーズは本当に色々と勉強になりますね。義肢で生活する方からの観点とそこに更にバリアフリーの必要性、重要性を綴り、普段なかなか関わるコトのない義肢装具についての描写も学びがたくさんありました。主人公「さえ子」ももちろんですが、今回は脇を固めるメンバーのほうが魅力的だったかもしれません。共に学ぶ髪がカラフルな「真純」と内気ながら腕は抜群の「戸樫」の2人がナイスなキャラで良かったです。追加の書き下ろしもステキなお話でした。2026/02/25
ゆいきち
50
お仕事小説、というか初心に帰れる1冊。解説では読み易い、とありましたが、専門用語が並べられてるシーンは正直読みにくくて多少読み飛ばしましたが、それでも成立する面白さ。それぞれのキャラが立っていてやりとりがとっても面白い。そして随所に散りばめられる、フラットな社会への希望。バリアフリーの概念が変わるし、社会への見方が変わる。それぞれの、その後が見てみたいけど、続編はまたどこかで登場するかな?2023/11/30
優希
40
義肢装具士という仕事を初めて知りました。難解で困難を伴う世界ながらも頑張る姿に背中を押されます。前向きに頑張ろうと思える作品でした。2024/12/18
kotetsupatapata
38
星★★★☆☆ 単行本では既読していますが、山本さんのお楽しみである短編集目当てで文庫も購入。 過去の山本作品に登場した人物や会社が登場し、ファンには溜まらないストーリーでした。 普段耳にすることも無い専門用語が多く少々読み辛い面もありましたが、戸樫と真純の若者特有のともすれば青臭く危なっかしい正義感と、社会を経験した26歳のさえ子の一歩引いて俯瞰した物の見方の対比とが、もう伸びしろも無い中年には眩しく、羨望の思いを抱きながら読むことができました。 2023/11/18
NAOAMI
19
義肢装具士を学ぶさえ子は26歳、インテリアコーディネーターとして社会人歴がある。同じ実習班には髪色がコロコロ変わるサバサバせっかちな真純、元いじめられっ子で内気だが装具士としての技術が光る戸樫がいて二人からはリーダーと慕われる。個性的な3人の成長譚であり、義肢装具士とは?というお仕事小説でもある。身体の部位やら義肢に関する用語の四字以上熟語やカタカナ名称が並び読みづらかったが、次第に物語に没入していける。3人を中心とした人の輪が広がり心温もる展開へ。人物が徐々に掘られ深みも増す。さえ子の内面実況も面白い。2023/11/07




