内容説明
クラスで一人だけCマイナス――。7年勤めた会社を辞め、義肢装具士を目指す26歳の二階堂さえ子は専門学校の製作実習で最低評価を受け、激しく落ち込む。同じ班のメンバーは内気だが実力抜群の戸樫博文と、ピンク色の髪にドクロの服を好む永井真純という個性派だったが、次第に打ち解けて切磋琢磨してゆく。けれどさえ子には隠しごとがあって……。つまずいても立ち上がる大人のお仕事小説。(解説・彩瀬まる)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいきち
47
お仕事小説、というか初心に帰れる1冊。解説では読み易い、とありましたが、専門用語が並べられてるシーンは正直読みにくくて多少読み飛ばしましたが、それでも成立する面白さ。それぞれのキャラが立っていてやりとりがとっても面白い。そして随所に散りばめられる、フラットな社会への希望。バリアフリーの概念が変わるし、社会への見方が変わる。それぞれの、その後が見てみたいけど、続編はまたどこかで登場するかな?2023/11/30
kotetsupatapata
27
星★★★☆☆ 単行本では既読していますが、山本さんのお楽しみである短編集目当てで文庫も購入。 過去の山本作品に登場した人物や会社が登場し、ファンには溜まらないストーリーでした。 普段耳にすることも無い専門用語が多く少々読み辛い面もありましたが、戸樫と真純の若者特有のともすれば青臭く危なっかしい正義感と、社会を経験した26歳のさえ子の一歩引いて俯瞰した物の見方の対比とが、もう伸びしろも無い中年には眩しく、羨望の思いを抱きながら読むことができました。 2023/11/18
NAOAMI
19
義肢装具士を学ぶさえ子は26歳、インテリアコーディネーターとして社会人歴がある。同じ実習班には髪色がコロコロ変わるサバサバせっかちな真純、元いじめられっ子で内気だが装具士としての技術が光る戸樫がいて二人からはリーダーと慕われる。個性的な3人の成長譚であり、義肢装具士とは?というお仕事小説でもある。身体の部位やら義肢に関する用語の四字以上熟語やカタカナ名称が並び読みづらかったが、次第に物語に没入していける。3人を中心とした人の輪が広がり心温もる展開へ。人物が徐々に掘られ深みも増す。さえ子の内面実況も面白い。2023/11/07
Nobuko
10
義肢装具士を目指す3人 それぞれのキャラがよい。 ひとくちに義足といってもいろいろたいへんなんだなぁ いいお話でした2023/10/14
kei
9
7年勤めた会社を辞めて義肢装具士を目指す26歳の二階堂さえ子。制作実習で最低評価を受けたりもするが仲間と切磋琢磨して、乗り越えていく。世の中、まだまだ知らない職業も学校もあるもんだなぁ。専門用語は難しいが、興味深く読んだ。2023/11/13