講談社学術文庫<br> 魏武注孫子

個数:1
紙書籍版価格
¥1,320
  • 電子書籍
  • Reader

講談社学術文庫
魏武注孫子

  • ISBN:9784065329245

ファイル: /

内容説明

■英雄たちが読み継いできた『孫子』は、曹操が定めたものだった!■
□1800年受け継がれた”スタンダード”□

「三国志」の激戦を戦い抜いた「魏武」曹操が、自らの軍事思想を込めて全篇にわたって付した注とともに校勘したその全文が、いまここに明らかに!
読みやすい現代語訳に、懇切な語釈を付した全訳注。

曹操が実践の応用に足るように定本をつくったからこそ『孫子』は現代まで兵法の根本として重んじられてきたことが、よくわかる!
さらに、曹操や諸葛亮ら英傑たちが、戦場において孫子の説く兵法をいかに具体化させたかを分析する「実戦事例」も掲載。
『孫子』の真髄がより具体的にわかるようになり、さらには「三国志」の世界もより深く理解することができる画期的全訳。

*本書は講談社学術文庫のための訳し下ろしです。

【本書より】
曹操は、『孫子』の本文が持つ意味を深め、自身の解釈に合うような校勘をしながら、そこに自己の軍事思想を込めたのである。『孫子』は、これ以降、曹操が定めた本文を基本とした。……曹操の存在無くして、現行の『孫子』を考えることはできない(本書「解題」)

【本書の内容】
始計篇 第一
【実戦事例一 白馬の戦い1】
【実戦事例二 烏桓遠征】
作戦篇 第二
【実戦事例三 官渡の戦い1】
謀攻篇 第三
【実戦事例四 赤壁の戦い1】
【実戦事例五 下ヒの戦い】
軍形篇 第四
【実戦事例六 官渡の戦い2】
兵勢篇 第五
【実戦事例七 白馬の戦い2】
【実戦事例八 合肥の戦い】
【実戦事例九 呉の平定】
虚実篇 第六
【実戦事例十 蜀漢滅亡】
軍争篇 第七
【実戦事例十一 諸葛亮の外交】
【実戦事例十二 夷陵の戦い】
【実戦事例十三 博望坡の戦い】
【実戦事例十四 穣城の戦い・ギョウ城の戦い】
九変篇 第八
【実戦事例十五 五丈原の戦い】
行軍篇 第九
【実戦事例十六 諸葛亮の信】
地形篇 第十
【実戦事例十七 泣いて馬謖を斬る】
九地篇 第十一
【実戦事例十八 第一次北伐】
火攻篇 第十二
【実戦事例十九 赤壁の戦い2】
用間篇 第十三
【実戦事例二十 孟達を誘う】

原文
解題
曹操の生涯
年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

13
23年。魏の武帝曹操が当時伝わっていた複数の『孫子』のテキストを定めた(校勘した)もの。前半は現代語訳、読み下し文、解説など。後半に原文を載せる。曹操の実地での経験を元にした注もあるので、一般的な注と一致しないところがあるのは興味深い。例えば、始計篇の五事の「道」は一般に「仁義」と解釈するが、曹操は「導」として「教令で導く」とする。あるいは謀攻篇に「包囲には十倍の兵が必要」とあるが、曹操が呂布を下邳に囲んで破った時は二倍の兵だったとする注があり、この戦いが曹操の会心の戦いだったことがうかがえる。2024/02/12

つわぶき

7
曹操は兵法書・孫子の文章を現在の形式に整理してかつ註釈を加えた。この本はその全訳であるに加え、三国時代の戦いを例示してその実践の様相も併せて確認できる。基本的には、孫子本文と老子との関連を踏まえつつ、本文に沿った解釈をしている。一方、謀攻篇における、「国を全くす」と「十なれば則ち之を囲み」の文章2箇所では、自らの経験を踏まえ、本文とは異なる註を加えている。そこから、曹操は註釈を実際の戦役での運用を前提に実施したことが分かる。曹操は多分野に足跡を残した人物であるが、兵学でも然りということが改めて実感できる。2023/09/23

yuki

5
三国志ファンとして読んでみたい1冊。正直、曹操が注を付した孫子の部分だけ読んでも曹操の凄さは分からなかったが、本書は実戦事例の解説があることに特色がある。孫子の解説本はビジネス関連が多い印象があり、三国志の有名でない実戦を例にした解説本がもっとあっても良いと思った。三国志のファンならば読んでおいて損はない。2023/10/29

NAGISAN

4
中国人や中国ビジネスに係わっている日本人にとって、中国人の深層に根付いている「孫子の兵法」への理解は必須であり、自分も折に触れて読んできた。本書は、三国志で有名な、魏の曹操による注によるもので、三国志ファンにとって、曹操の戦法と合わせ読めば、楽しめることが多い。訳者の渡邉義浩氏の注は読者の欲求に応えるもので、学識の広さ・深さにうらやましさ一杯です。2023/11/22

葛城吉隠

2
三国時代の魏王曹操が注釈を付けた孫子。実践を踏まえた上で注釈を入れているため、非常にわかりやすい。スタンダードと言われても納得のいくものです。 訳者は自他共に認める諸葛亮好きであり、三国志研究の第一人者である。そのため内容にある実例の中で諸葛亮が関わる実例は、心なしかページ数が心なしか多く感じます。2024/04/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21494223
  • ご注意事項