内容説明
レジェンド桜庭の全貌を描く決定版!
「プロレスラーは本当は強いんです!」
グレイシー伝説を打ち破った日本総合格闘技界のレジェンドが歩んだ道。
タイガーマスクに憧れプロレスを志した少年・桜庭和志。アマレスを学び、プロレスラーになるとサブミッションレスリングに夢中になり、総合格闘技の世界へ。
そしてPRIDEの主役となり、UFCのレジェンドであるホイス・グレイシーを107分の死闘の末に下し、伝説となった。桜庭が“リアルファイトのタイガーマスク”になったのである。
2000年の桜庭の活躍を振り返りながら、グレイシー柔術とは何か、MMAとは何か、格闘技とは何か、UWFとは何か、プロレスとは何かに迫る。
桜庭への幾度にも及ぶインタビューだけでなく、石井和義やホイラー・グレイシー、ホイス・グレイシーにも直撃取材。著者自ら柔術教室にも通い、そのなんたるかを学んだ。まさに体当たりのこの作品は、著者の真骨頂であり『1984年のUWF』の続編であり、『1976年のアントニオ猪木』の最終章でもある。
※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
23
PRIDE大好きだった。会社の先輩がPVをVHSに録画して貸してくれてました。20年以上前の話でアナログな時代、良い時代でした。今作を読んでショックだったのは、PRIDEにも結末の決まった試合が有った事…。まあリングスもガチだと思って観てましたんで、見る目は全然無い(笑)。何なら鶴田VS天龍や長州VS藤波もワンチャンマジかも…って見えましたからねぇ。と言う訳で、40年前から20年前までプロレス、格闘技ファンだった自分が、PRIDEの崩壊と同時期に興味を無くした事を思い出した。そうか、サッカー見始めた頃か。2024/03/06
ジュンジュン
13
2000年の桜庭・ホイス戦を単なる「プライド史上最高の試合」という点ではなく、アントニオ猪木が提唱した「プロレスこそ最強の格闘技」という幻想が遂に具現化したターニングポイントとして捉える。そういう意味では、流れとして「1976年の猪木」と「1984年のUWF」は読んでおきたい。ついでに、前史として「1964年の馬場」と現在へと続く「2011年の棚橋と中邑」も。あっ、結局全部か(笑)。さて、本書。2000年に交差するグレイシー一族の歴史と桜庭の人生を丹念に跡付ける。当時の舞台裏はこんなだったのか。2023/11/03
緋莢
11
「僕が本当に受け継いでもらいたのは、技術よりも心です。プロとしての誇りです。お客さんに伝わる試合をすること――これからの未来を創るファイターへ僕からのメッセージです」2017年、総合格闘技団体UFCの殿堂入り、代表のデイナ・ホワイト(2023にCEO)が「どんな相手だろうが、いつも桜庭はみんなをワクワクさせてくれる世界一のファイターだ。」と口にする。そんな桜庭和志のプロ入り前から 2018年、グラップリングのワンデートーナメント「QUINTET」開催までを書いた本(続く 2024/02/08
マッちゃま
10
あの頃(2000年)僕らは総合格闘技イベントに夢中でした。子供の頃にプロレスから入った僕ら。時代は総合格闘技の人気が出てきて、気付けば仲間と集まってテレビの前に座り鍋とアルコール片手に試合が決する度に一喜一憂してました。2000年、あの時代に総合格闘技にハマっていた人なら無茶苦茶に楽しめる(懐かしめる)内容。オレンジ色のTシャツ着てサクの応援していたなぁ〜テレビ中継も無くなりスッカリ離れちゃった今、あの頃も楽しかったねと思い出させてくれます。本書の文庫化ずっと待ってました。当時を楽しんだ方にオススメです♪2023/10/09
Masaru Yamada
8
アントニオ猪木が提唱した『プロレスこそ最強の格闘技である』を体現しようとしたのが初代タイガーマスクである佐山聡。佐山聡が潰れかけた第一次UWFで実現したが様々な思惑が交差し失敗、シューティング(現・修斗)を設立しプロレスから離れた。その初代タイガーマスクに憧れてUWFインターナショナルに入門し、日本人唯一のUFC殿堂入りした桜庭和志のスターダムに駆け上がっていくノンフィクション。あの頃のPRIDEは熱かった!新日本プロレス→UWF→PRIDEとプロレスファンを取り込み空前の総合格闘技ブームだったと懐古する2024/01/07