未来省(The Ministry for the Future)

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未来省(The Ministry for the Future)

  • ISBN:9784893624086

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内容説明

人類vs気候変動 闘いの30年未来記

2025年、インドを未曾有の大熱波が襲い、2000万人の犠牲者を出す。
喫緊の課題である気候変動に取り組むため国連に組織された、通称「未来省」のトップに就任したメアリー・マーフィー。
つぎつぎと起こる地球温暖化の深刻な事態に対し、地球工学(ジオエンジニアリング)、自然環境対策、デジタル通貨、経済政策、政治交渉……ありとあらゆる技術、政策を総動員。人類の存亡をかけ果敢に立ち向かっていく。
〈火星三部作〉のキム・スタンリー・ロビンスンが描く、現代から2050年代までの気候危機をめぐる近未来SF小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

93
COP29が終わったというときに丁度読み終わりタイミングが良かった感じです。ですので会議でインドが先進国の拠出額がまだ少ないといっているのがよくわかりました。小説では最初の方でインドでは熱波で2000万人が亡くなります。その対策のために国連はこの表題になっている未来省というのを作り、各国との対応などを主人公のトップが動き回ります。日本以外の先進国ではかなり読まれているようですが、若干細切れで様々な情報がかなり多く読みずらさがある感じでした。2024/11/25

特盛

29
環境危機が極端に進行していった未来と、気候問題解決促進に奮闘する世界機関「未来省」の話。もっとこの手の小説があってもおかしくないと思ってても、意外と無い。図書館で手に取ったが、半分くらい読んだ時点で時間切れ。環境問題からテロリズムに結び付く流れはあるんだろうなと思うし、ドローンなどで富裕層向けの防ぎにくい暴力は増えてもおかしくないな確かに。フィッシャーの資本主義における行為主体の話、カフカの城的な言説を横で読みながら、たしかに、未来省やテロリストは誰と戦っているんだろうという気になった。2024/07/29

臓物ちゃん

10
技術から経済まであらゆる手段を使って気候危機に抗う人々の奮闘を描いた近未来シミュレーション群像劇。様々な有効策を矢継ぎ早に考察していきながら人間性への誠実さは貫いている点が大変良く、Boichi『H・E』を彷彿とさせる。途中で「わが名は富」とか概念が自己紹介するという「暴夜layla幻談」みたいな謎のパートがあったりと何じゃこりゃな部分もあるにはあるが、新自由主義だけでなく植民地主義やジェンダーギャップの問題についてもちゃんと切り込んでいて、生半可な気持ちで書かれたものでないことが判る情熱たっぷりの一冊。2024/02/13

Mark.jr

8
データを正しく読み取る指南本「FACT FULNESS」では、世界の多くの問題は改善の方向に向かっていると説明されてますが、唯一全く改善されておらず、しかも多くの人がそれを認識しているのが地球温暖化になります。環境問題と戦う組織"未来省"の奮闘を描いた本書は、とにかく環境科学だけでなく経済、宗教まで巻き込む情報量とエピソード量、尚且つ保たれている読み安さに舌を巻きます。故に直線的な物語というよりも、シュミレーション風の科学専門書の色が強いですが、一読の価値は十二分です。2024/11/15

おだまん

8
SFというにはリアリティがあって、現実を直視するのが辛くなる。未来を紡ぐひとつのかたち。2024/04/07

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