未来省(The Ministry for the Future)

個数:1
紙書籍版価格
¥3,300
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

未来省(The Ministry for the Future)

  • ISBN:9784893624086

ファイル: /

内容説明

人類vs気候変動 闘いの30年未来記

2025年、インドを未曾有の大熱波が襲い、2000万人の犠牲者を出す。
喫緊の課題である気候変動に取り組むため国連に組織された、通称「未来省」のトップに就任したメアリー・マーフィー。
つぎつぎと起こる地球温暖化の深刻な事態に対し、地球工学(ジオエンジニアリング)、自然環境対策、デジタル通貨、経済政策、政治交渉……ありとあらゆる技術、政策を総動員。人類の存亡をかけ果敢に立ち向かっていく。
〈火星三部作〉のキム・スタンリー・ロビンスンが描く、現代から2050年代までの気候危機をめぐる近未来SF小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

臓物ちゃん

8
技術から経済まであらゆる手段を使って気候危機に抗う人々の奮闘を描いた近未来シミュレーション群像劇。様々な有効策を矢継ぎ早に考察していきながら人間性への誠実さは貫いている点が大変良く、Boichi『H・E』を彷彿とさせる。途中で「わが名は富」とか概念が自己紹介するという「暴夜layla幻談」みたいな謎のパートがあったりと何じゃこりゃな部分もあるにはあるが、新自由主義だけでなく植民地主義やジェンダーギャップの問題についてもちゃんと切り込んでいて、生半可な気持ちで書かれたものでないことが判る情熱たっぷりの一冊。2024/02/13

おだまん

6
SFというにはリアリティがあって、現実を直視するのが辛くなる。未来を紡ぐひとつのかたち。2024/04/07

女神の巡礼者

3
ふう~ ヘビーな一冊でした。しかし本書も2023年度のベストクラスの一冊。サイエンスフィクションでありながら、地球温暖化に対抗するための、サイエンスだけでなく、社会科学である国際政治学、経済学、金融学、情報工学、民俗学、哲学、宗教学まで含めた、総合的な教養が求められるスペキュレイティブ・フィクションとして読み応え充分の一冊でした。はたして人類は本書のように、その英知を結集して地球温暖化の危機、生物大量絶滅の危機を乗り越えることができるのでしょうか?2024/02/05

Sosseki

2
未来省のトップを主人公に、スタッフ、熱波のトラウマを抱えた恋人(?)を中心に地球沸騰化との闘いを描く。説明がないまま学者、環境避難民、過激派等が登場し、環境に関する解説のような章もあり、結構読みにくかったが、恐慌レベルの混乱を覚悟し、破壊的な解決策、価値観の転換を取らないと手遅れになるというメッセージには全く賛成する。テロ行為はどうかと思うが、動植物や自然、将来世代のための施策、賃金格差防止策、人口増加させない策等は是非広まって欲しいし、化学製品限定の石油利用もよいと思う。日本は何かやってるの?2024/01/16

ダイ

2
今月末にはUAECOP28が開催される。我々人類はあよ100年1000年存続できる生命体なのだろうか。わずか数万年しか存在できなかった生命体で結局グレートウォールによっ途絶えてしまう生命体なのだろうか。 政治的話し合いによって Climate Crisisが解決できると現状では思えず、喉元にナイフが突き立てられているのかも知れず、それでも人類は子供のためのお金は残す努力はしても地球環境残す努力はしない。 この小説が我々人類の未来となりうるのか。 少なくとも現在の人類にとって必読であった。2023/11/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21509512
  • ご注意事項