内容説明
元士族・橋本家のひとり娘、有栖は腹を立てていた。年上の従兄、春日要との縁談を勝手に決められてしまったからだ。資産家の両親のもと、何不自由なく育った要は、知的で優しい美貌とは裏腹に、悪戯好きでキザ、おまけに素人探偵気取り…と、大変な問題児なのである。この強引な縁談を白紙にすべく、有栖は縁談の裏に隠された「人形紛失事件」を解決しようと奮闘するけど…? 「ミス・おてんば」の女学生と一族きっての問題児のコンビで謎を解く、レトロモダンでロマンティックなライトミステリ!
目次
わたしの嫌いなお兄様
乙女小説は永遠に!
おうちに帰るまでが誘拐です
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
56
コバルト文庫からオレンジ文庫に引越しした作品。子供の頃からいたずらをされるので(落とし穴に落とされるとか)嫌いなお兄様なのに、お兄様は私が赤ちゃんの頃に一目惚れをしたなどと強引に結婚を迫ってくる。慶応大生をやりながら大衆小説を書いている要と、女学生の有栖が事件を解決していくバディもの。大正浪漫の雰囲気も漂い、コバルト文庫の雰囲気が懐かしい作品。2023/08/24
よっち
35
父親に年上の従兄・春日要との縁談を勝手に決められてしまい、怒り心頭の元士族のひとり娘・有栖。おてんばな彼女と問題児のコンビで謎を解くレトロモダンミステリ。資産家の息子で知的で優しい美貌とは裏腹に、悪戯好きでキザ、素人探偵気取りの要。強引な縁談が、春日家が所有する高価な人形を無くしたことが絡んでいると知った有栖は、何とか人形を見つけだし縁談を白紙に戻そうとする展開で、人気少女小説の作者探し、帝都を騒がす連続婦女誘拐事件の真相を一緒に探るうちに、彼のことが気になってゆく素直になれない有栖が微笑ましかったです。2023/08/21
あずとも
6
大正時代が舞台で西洋文化が入ってるとはいえ英語やカタカナが多いのが気になる。軽く読むにはいいかも2023/08/21
栗山いなり
5
元士族の一人娘・有栖とその幼なじみ・要が様々な事件に挑んでいくライトミステリー小説。結構コメディ要素が多いのが特徴的。なんだかんだ笑えたし結構楽しみながら読めた気がする2023/09/07
色素薄い系
4
珍しく少女漫画寄りの表紙だなぁと思っていたらコバルト文庫から刊行されていたものだったんですね(納得)。起きる事件はなかなか面白ったと思うんだけど、ヒーローの要に魅力を感じるかどうかだと思う。昔やんちゃしてたならまだ分かるけど現役かぁ…になったよね。まぁそれでもヒロイン有栖のピンチにはちゃんと駆けつけてくれるし頭が悪いわけでもないのでスペックとしては高いと思うんだけどね。落とし穴さえ作らなければ。個人的には薄幸の人生歩んでる人が好きなので安里さんが好きでしたね。2023/11/10