内容説明
現代の法思想の主要な問題を探求することに加えて、ケルゼン、ハート、ラズ、ドゥオーキン、ウォルドロンらによる21世紀初頭の理論状況を的確に整理し、批判的に検討を施す。様々の理論を中立的に解説するにとどまらず、法の本質を深く探求、地を這うような思考の道筋を明快に示す第一級の書。
目次
序論[森村進 訳]
第1章 法の純粋理論?[永石尚也 訳]
根本規範
相対主義と還元
二種類の還元
第2章 法の基礎にある社会的ルール[永石尚也 訳]
なぜ法は主権者の命令ではないのか?
法はいかにして社会的ルールによって構成されるか?
第3章 権威・コンヴェンション・法の規範性[森村進 訳]
権威と規範性
法の慣習的基礎
第4章 法は道徳によって決定されるか?[服部久美恵 訳]
司法裁量と法的原理
包摂的な法実証主義
解釈としての法
第5章 法哲学は規範的か?[伊藤克彦 訳]
規範的法実証主義
倫理的実証主義と実証主義の倫理
実質的な規範的法実証主義
方法論的議論
第6章 法の言語[伊藤克彦 訳]
われわれは常に法を解釈しているか?
なぜ解釈するのか?
訳者解説[伊藤克彦]
監訳者あとがき[森村進]
文献表