内容説明
大手都銀・大洋産業銀行広報部次長の渡瀬正彦は、新聞記者から大洋産業銀行の総会屋への利益供与の事実を知らされる。巨額融資問題は、やがて大手証券会社を巻き込んだ一大スキャンダルへと発展する。闇の勢力との癒着の歴史に愕然とする渡瀬だったが……。1997年に実際に起きた未曾有の金融事件を基に、“呪縛”に囚われ続け、自壊していく銀行の真実をドキュメンタリータッチに描いた金融情報小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
90
江上さんの「抗争」(メガバンクのもと3行による権力闘争)を先に読んでしまいました。これは銀行の総会屋への利益供与の話です。高杉良さんの「呪縛」を読んだり映画を見ていたので内容はよくわかりますが、第一勧業銀行の経営者というのはやはり中位行の経営者でしかないような感じです。他人ごとのような感じですね。もとの三菱や住友の経営者と比べるとだめですね。江上さんも立場上で小説という形体をとったのでしょうが、住友の元頭取や企画部の人が書いたような磯田時代のバブルを総括したドキュメントでも書いてくれればと思いました。2017/11/22
Walhalla
8
大手都市銀行の広報部次長である主人公が、巨額の不正融資の事実を知り、その収拾に奮闘するお話しです。 フィクションという事になっていますが、実質はノンフィクションのようですね。と言うのも、この物語の主人公こそ、著者である江上剛さん自身だそうで、1997年の第x勧業銀行の総会屋利益供与事件の様子が生々しく描かれています。 次長という立場で、頭取をはじめ、相談役・会長・副頭取・上席役員たちに退任を迫るシーンは力が入りますね。 満足いく作品でした。2015/12/28
qsan
5
メガバンクの総会屋への利益供与事件。主人公のモデルは著者自身だそうで、銀行の内部実態が如実に描かれていて読みごたえがあった。組織の中で問題だとは感じながらも、周りに抵抗してどこまで自分を貫けるか・・・難しい問題ですが、少なくとも大企業の経営者には必要な資質でしょう。2014/12/11
terukravitz
4
図書館本★★☆☆☆2014/03/01
takao
3
☆会社は社会のものがテーマ。。 銀行小説。著者は第一勧業銀行広報部次長だった。 2019/11/06
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