内容説明
「この時代小説がすごい!」2022年版(宝島社刊)の単行本部門第1位作品の文庫化。書評家・書店員など、本読みのプロたちに圧倒的な支持を得たこの作品の舞台は、飛騨白川郷。そこに織田信長の魔の手が迫るところから物語は始まる。戦国武将が喉から手が出るほど欲しいのは、金銀と、鉄炮火薬に欠かせない塩硝。それらは白川郷で豊富に産するという。宝の眠る里を我が物にしようと企む、織田・上杉・本願寺……。そんななか、信長によってこの地に送り込まれたのが、天才軍師・竹中半兵衛の愛弟子・七龍太である。“天空の城”と言われる帰雲城に拠って白川郷を治めるのは、内ケ嶋氏理。氏理には、野性味あふれる姫がいた。美しき里に魅せられた七龍太は、領民の平和な生活を守るため、信長の命に反し、姫武者・紗雪とともに立ち上がる。そこには、七龍太の出生に関わる、思いがけない出逢いも待っていた。『剣豪将軍義輝』『風魔』の著者、渾身の「戦国エンタテインメント」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうちゃん
18
これは面白いです。 あまり知られていない辺境の鄙な小国が題材。 でも登場人物は大きな名前も多くて、読者が置き去りにされない。 ファンタジックな戦闘シーンばかりでないのも魅力。ワクワクで下巻へ進みます。2024/06/11
ましゅう
14
信長が勢力を拡げ、一向宗を始めとする反信長勢力が対抗する戦国の世、秘境の飛騨白川郷にこんなにも領民思いで家臣思いの領主がいたとは。内ケ嶋氏の五代目当主・氏理である。架空の存在であろう七龍太の若武者ぶりも光る。景色も美しいが、紗雪とおおさび、七龍太と兵内、竹中半兵衛と七龍太らの主従関係も美しい。想いを寄せ合う七龍太と紗雪の恋の行方は?大方想像していた通りだったけれど、下巻ではどうなる?それにしても、お市の方と茶々の存在感の凄まじいこと。2023/11/12
ゆうこ
12
『武士は花ではない。人だ。人は、心と体で存分に生を楽しんでこそ美しい』『わが弟子よ、美しき人であれ』竹中半兵衛から七龍太にかけられた最期の言葉。白川郷の美しい景色と、信長の血生臭い世情の中で翻弄される七龍太と紗雪。お互いを思い合う兄妹の行く末と、信長の時代の変遷が続くであろう下巻へ。白川郷の景色の描写とそこの住まう人の姿が美しい。2023/09/04
黒ひつじ
9
あぁ、なんてこと… 下巻をすぐに読まねば!2024/06/27
タカボー
9
まず題材が良い。地震による山崩れで壊滅したとされる帰雲城伝説。今なお城の場所さえも特定できてないという歴史ロマンとミステリーに溢れてる。わかってる史実が少ないだけに創作が大部分だけど、最終的な悲劇はわかっている中でストーリーとしてもドキドキがあるし、明確なヒールがいるし、登場人物に感情移入していくし、ここまでは期待以上です。2024/05/18
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