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内容説明
「人間の生」とは一体何なのか。今から100年前、人類学者たちはその答えを知ろうとしてフィールドワークに飛び出した。マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドという4人の最重要人物から浮かび上がる、人類学者たちの足跡とは。これを読めば人類学の真髄が掴める、いままでなかった新しい入門書!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
58
また文化人類学じわじわ来てるようでうれしい。インゴルドて知らなかった。新しい人類学の中心人物。新書にしては、やや難しい(最新部分の説明が)2023/12/03
kinnov
28
人類学100年の流れを、マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドと言うエポックメイキングな4人の学者を通して解説する、初心者に向けた一冊。単なる解説書のようだが、作者が投げ掛けるのは、知識や教養ではなく本質にある「人とは何か」「生きるとは何か」と言う問いを考え続ける事の重要性だ。特に現役のインゴルドの思想-対象を客体として観察し記述する知識ではなく、対象と共に生きて感じとる知恵こそが生物社会的存在であるヒトを知る方法である-を熱く語り考える事に導いてくれる。時には深く思考する事は愉しい。2023/10/11
特盛
21
評価4/5。文化人類学ってどういう学問か?の見取り図。19世紀グローバル化する西洋社会において現れた安楽椅子探偵的社会思想に我慢ならなく世界に飛び出したマリノフスキー。構造主義の祖レヴィストロース、延々内部に対立を抱えたアメリカならではの人類学を創始したボアズ、人類学のポストモダン的インゴルド。この4人を主要人物として、人とは何か?を探求する学問である人類学を紹介してくれる。これって文学に近いんじゃないの?って世界観も少し感じたのが正直な印象だが魅力的な分野だ。2024/04/20
タナカとダイアローグ
20
図書館本。マリノフスキ「生の全体」、レヴィストロース「生の構造」、ボアズ「生のあり方」、インゴルド「生の流転」とう流れとそれぞれのテーマを奥野先生の視点で語る人類学の入門書。文化人類学の講義にピンときてない大学生(かつての自分)に薦めたい‥各論(東南アジアの〇〇といつ民族は〜)から講義が始まると、それって何か関係あるの?日本で経営学部なんだけど?的な導入の悪さが悪印象だった経験あり。全体像を描いて人類学が挑戦してきた「外部」について学ぶこと・姿勢って、どの学問でも有効な視点。インゴルド読んでみることに。2023/10/14
koke
16
インゴルドから人類学史を読み直し、人類学は「生きている」という問いに挑むものだとする。このあたりの著者の主張はあまり響かなかった。人類学史の大きな流れをつかむにはいい本。クラ交易のまとまった解説は初めて読んだ。オリンピックの聖火リレーを連想し、贈与や交換というより宗教的なものという印象に変わった。レヴィ=ストロースの著作群は改めて凄すぎて、概要すら覚えきれない。2023/10/25