文春新書<br> 発酵食品と戦争

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文春新書
発酵食品と戦争

  • 著者名:小泉武夫【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 文藝春秋(2023/08発売)
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  • ISBN:9784166614219

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内容説明

一見、関わりなど無いように思える「発酵」と「戦争」。
しかし太平洋戦争末期からの食糧欠乏期、国民全体が発酵食品にいかに救われたか、
また食糧のみならず爆薬・燃料・薬品をもつくる驚異のパワーを、
古今東西の豊富な事例で紹介。その幅広さには、「発酵」の豊かさと
無駄のない強靭さ、無限の可能性が感じられる。

【目次】
第一章 戦争と発酵食品
納豆/味噌/醤油/食酢/漬物/食パン/鰹節/チーズ/甘酒/チョコレート/紅茶/缶詰/軍隊調理法

第二章 戦時下の酒
日本酒/焼酎/泡盛/ビール/ワイン/ウイスキー/酒保/密造酒

第三章 戦争と知られざる発酵
小便から発酵で爆薬をつくる/発酵で爆薬ニトログリセリンを生産/芋を発酵させて爆撃機の燃料をつくる/傷病兵のための抗生物質の発酵生産/海藻を発酵させて軍需用品の沃素をつくる/戦争と堆肥/戦争と柿渋

第四章ウクライナとロシアの発酵嗜好品
 ウクライナとロシアの伝統発酵料理/ウクライナのワイン/ロシアのワイン/ジョージアのワイン

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

80
発酵食品の権威、小泉先生が太平洋戦争の戦時下、様々な食品をどのようにして作っていいたのか、また戦時下でどのような工夫をしていたのか。 第2章ではお酒と発酵の関係と作り方が解説されている。発酵食品では納豆、味噌、醤油、食酢、漬物、食パン、鰹節、チーズ、甘酒、チョコレート、紅茶、缶詰。私は戦争中は生まれていない。今の食生活からみれば多分食べられそうもないものも多かったのではないかと思う。しかし食料危機が身近になる環境下、食の工夫も必要な時代がきっと来ると思う。昆虫食についても一部記述あり。図書館本2024/03/27

yamatoshiuruhashi

58
小泉博士お得意の発酵学の知識満載の本。発酵と戦争を結びつけるのは、食品としての発酵物だけではなかった。戦争はいかに兵站を重んずるかで勝敗が決まるのは先の帝國陸海軍の惨敗を見ればわかる通り。その兵站の重要な一つが食糧であるが、人間が戦さを始めた時から、エネルギーと塩分を確保するのに発酵食品は重要であった。のみならず発酵の化学が日本では火縄銃の火薬作りに使われているのは博士の別の本でも書かれていたが、ここでは簡単な化学式でも説明。更に芋を使った内燃機関燃料、抗生物質にまで話はとぶ。偉大なり、発酵。2023/12/01

roatsu

14
発酵に関する小泉先生の博覧強記と情熱が立て板に水の如く披歴される面白い一冊。発酵の食にとどまらないその作用の神秘と古今東西を問わず人間の暮らしを支える機能の凄さにしみじみと驚く。戦時を救った、の帯は内容とはずれるし先生も本意ではないのでは。発酵を用いた飲食物を軸に我が国の主に近現代史を顧みる内容にもなっており、大変よくまとまっている。戦時下から敗戦後にかけての納豆普及と生産に関する業界人の政界を巻き込んだロビー活動はまさに民主主義社会の陳情と政治を通じた権益確保の在り様を見る思いで勉強になる。ただ口を開け2023/10/02

Hiroki Nishizumi

5
発酵への愛に満ちた本。戦争との関係というより戦争だろうが何だろうが人類に発酵食品は欠かせないことを訴えている気がした。鰹節やチョコレート、紅茶まで発酵食品だったとは驚いた。2024/01/09

Kelevra Slevin

2
納豆、味噌などの発酵食品を主に戦争との関わりの視点から、作り方、地域性、その効果、さらには話のネタになるようなトリビアがあって非常に読み応えがあった。発酵食品は保存がしやすいということもあり、いかに材料などを安定的に確保することに腐心していたかがわかった。インスタント味噌汁が戦国時代から既にあったとは驚いた。特に印象に残ったのは明治大正の時代、密造酒を巡る官憲と村民の争い。官憲が村に近づくや合図で知らせたり、官憲を囲んでボコボコにするなど今の感覚では少し理解しづらいが、当時の空気感が感ぜられた。2023/10/20

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