東大連続講義 歴史学の思考法

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東大連続講義 歴史学の思考法

  • 著者名:東京大学教養学部歴史学部会
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 岩波書店(2023/08発売)
  • 夏を先取り!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~6/29)
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  • ISBN:9784000614061

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内容説明

東大生が入学して最初に身につける,社会を生きるための歴史学的思考法.「大学で学ぶ最初で最後の歴史学」を念頭に,じっさいに東大駒場で1・2年生向けに行われている全12回オムニバス講義.他大学の1・2年生はもちろん,歴史好きの高校生やビジネスパーソンも必読の,教養としての歴史学.

目次

はじめに
第I部 過去から/過去を思考する
第1章 歴史に法則性はあるのか――歴史と変化の理論(桜井英治)
1 成長モデル――一度かぎりの歴史
2 周期モデル――歴史はくり返す
第2章 過去の痕跡をどうとらえるのか――歴史学と史料(渡辺美季)
1 歴史学の営みと史料
2 歴史学の「歴史」と史料
3 狭義の史料と広義の史料
第3章 時間をどう把握するのか――暦と歴史叙述(田中創)
1 暮らしを取り巻く時間
2 暦と歴史叙述
第II部 地域から思考する
第4章 人びとの「まとまり」をとらえなおす――歴史の中の国家と地域(杉山清彦)
1 世界史と「国家」
2 「地域」からとらえる歴史
3 ふたたび「国家」へ――歴史の中の国家と社会
第5章 現代社会の成り立ちを考える――グローバリゼーションの歴史的展開(黛秋津)
1 グローバル社会の形成過程
2 歴史的グローバリゼーションの展開――近代移行期のバルカンを例として
3 グローバルな歴史のとらえ方――グローバル・ヒストリー
第6章 植民地主義と向き合う――過ぎ去らない帝国の遺産(岡田泰平)
1 近代と帝国主義
2 植民地主義と植民地研究
3 世界史の中の脱植民地化
第III部 社会・文化から思考する
第7章 世界像を再考する――イスラームの歴史叙述と伝統的世界像(大塚修)
1 中東イスラーム地域における歴史
2 中東イスラーム地域における伝統的世界像
第8章 内なる他者の理解に向けて――儀礼と表象,感性の歴史学(長谷川まゆ帆)
1 人類学の誕生と歴史学への浸透
2 「棲み分け」から対話へ
3 歴史の動的過程の理解に向けて
第9章 当たり前を問う,普通の人びとを描く――日常史と民俗学(岩本通弥)
1 民俗学とは何か
2 日常史の誕生と展開
第Ⅳ部 現在から/現在を思考する
第10章 「近代」の知を問いなおす――歴史学・歴史叙述をめぐる問い(井坂理穂)
1 歴史学を問いなおす
2 南アジア近代史の分野での模索
3 歴史学・歴史叙述のあり方をめぐる模索
第11章 アナクロニズムはどこまで否定できるのか――歴史を考えるコトバ(山口輝臣)
1 否定されるアナクロニズム
2 アナクロニズムは排除し切れるのか
3 アナクロニズムと向き合う
第12章 「私たちの歴史」を超えて――ともに生きる社会のために(外村大)
1 歴史が作り出す「私たち」
2 国史が生み出す対立と抑圧
3 他者理解としての歴史学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

113
歴史学というとあまり興味がわかないのですが(歴史自体は好きですが)お気に入りさんの感想を見て読んでみました。東大の12人の先生方がそれぞれの分野での小論を掲載しておられます。いままでにはあまりない歴史学の書物であり、最初の「歴史に法則性はあるのか」「当たり前を問う、普通の人々を描く」が私にとっては参考となりました。いい本だと思いました。2021/05/04

あきあかね

20
 冒頭、謎解きはできるけれど殺人を止めることはできない無力な探偵が歴史学の比喩として挙げられる。しかし、歴史学的なものの見方·考え方、物事を長期的な視野で見る姿勢を身につけることで、一時的な衝動や短期的な利益に惑わされずに、時代が変わり、様々な新たな問題が生じても適確に対応することができる。 また、今目の前にある社会を唯一無二のものとして捉えずに相対化する視点も身につけられる。本書で触れられる日常史や民俗学も、昔からそうだったという習慣や伝統の自明性、当たり前を疑うことを主眼とする。⇒2022/02/05

さとうしん

13
東大の一般教養の歴史学のテキストということだが、歴史学の専門科目の史学概論のテキストとしても通用するものになっている。歴史の法則性、史料の種類と扱い、植民地主義、歴史用語のアナクロニズムの問題、近隣諸国との史実評価の不一致の問題等々、文字通り「歴史学の思考法」のエッセンスをまとめたものとなっている。2020/06/05

かんがく

12
歴史を学ぶ際に必要な様々な視点を提供してくれる良書。ポストモダン以降の歴史・国家・民族などの捉え方、社会学・人類学・民俗学などの学際的な研究手法について体系的に知ることが出来、参考文献も豊富にあったので今後の学習の指針となった。アナクロニズムについての研究は新鮮だった。2021/03/06

筑紫の國造

7
これは良書。東京大学教養学部の歴史学講座で使われるテキストとして編まれた本書は、歴史学の「考え方」を噛み砕いて伝える。合わせて12講座の中では「史実」ではなく、「歴史学の考え方」、すなわち史料とは何か、史実をどう認識するか、これまで歴史はどう考えられてきたか、etcと、教養としての歴史学がハイレベルかつ分かりやすく紹介される。「はじめに」で触れられているように、必ずしも史学専攻の学生だけではなく、社会人あるいは高校生、また他分野の学生にも大いに参考になるだろう。横書きなのが唯一の難点。2022/12/03

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