出版社内容情報
本書は、第一線で活躍する二人の建築家が、さまざまな芸術における“窓(フレーム)的表現”を参照しながら、それが私たちの暮らしや世界観と密接に結びついていることを、建築家としての現場での経験をもとに明らかにし、「世界」と「窓」とをめぐる従来の議論に建築論的転回をもたらさんとする野心的な論考である。演劇(プロセニアムアーチ)や絵画(額縁)、映画(フレーミング)など、異なる表現における「窓」の役割を分析するいっぽうで、風景を切り取るフレームとしての窓、建物の内外をつなぐ通路としての窓、建物の内部で隔てられた空間同士をつなぐ窓といったように、建築における「窓」の機能についても、独自の視点から多角的な分析を加える。その目線は、近代建築の超克まで見据えており、建築論や都市論の読者はもちろんのこと、メディア論や表象文化論の読者にも楽しんで頂ける、奥の深い内容となっている。
内容説明
第一線で活躍する建築家二人が、さまざまな芸術における“窓(フレーム)的表現”を取り上げながら、人間にとって「窓」とはなにかという根源的な問いに迫る。さらには、それが私たちの暮らしや世界観と密接に結びついていることを、建築家としての経験をもとに具体的な形で明示する。近代建築の超克をも視野に入れた類稀な考察。
目次
第1部 諸芸術における「窓」(フレームの創発;絵画のフレーム;写真・映画・マンガのフレーム)
第2部 建築における「窓」(窓・フレームとしての建築;リフレームとしての建築;マルチフレームとしての建築;世界各地の「窓」建築)
第3部 命を注ぎ込む「窓」(窓の形状とそこを通り抜けるもの;流れについて;建築を超えて)
著者等紹介
坂牛卓[サカウシタク]
建築家。東京理科大学工学部建築学科教授。早稲田大学芸術学校非常勤講師。1959年東京都生まれ。1983年東京工業大学工学部建築学科卒業。1985年文部省給費留学生としてUCLA大学院都市建築学部修了。1986年東京工業大学大学院修士課程修了。博士(工学)。1998年O.F.D.A associates設立。2009年信州大学工学部建築学科教授。2011年より現職。主な受賞に2005年第4回芦原義信賞、2007年日本建築学会作品選奨、2015年The International Architecture Award 2015、2017年SDレビューSD賞、2023年JIA長野建築賞2023優秀賞ほか
平瀬有人[ヒラセユウジン]
建築家。早稲田大学芸術学校教授。1976年東京都生まれ。1999年早稲田大学理工学部建築学科卒業、2001年同大学院修士課程修了。博士(建築学)。2007年文化庁新進芸術家海外留学制度研修員(在スイス)。同年よりyHa architects共同主宰。2008年佐賀大学准教授。2023年より現職。主な受賞に2016年グッドデザイン賞、2017年日本建築学会作品選集新人賞、2019年SDレビュー朝倉賞、2022年第4回日本建築設計学会賞、2023年日本空間デザイン賞、2024年iF DESIGN AWARD 2024ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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