内容説明
目の見えない子どもたちが,動物の骨を触って生き物について学ぶ.教科書は使わず,板書もないその授業のルーツは40年前.視覚障害者には学ぶことが難しいとされていた「生物」の授業をつくりたいと考えた教師たちの熱意から始まっていた.「わかること」の本質にふれる,新鮮な感動をよぶルポ.毎日新聞デジタル版好評連載の書籍化.
目次
プロローグ
第一章 骨を触る授業と子どもたち
〔コラム〕日本の盲教育の歴史
〔コラム〕盲学校の現状
第二章 授業をつくった教師たち
第三章 科学への道を拓く
〔コラム〕大学入試の点訳
〔コラム〕大学進学の現状
第四章 「考える観察」の先に
エピローグ
主要参考文献
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瑪瑙(サードニックス)
41
盲学校の生徒さんたちが骨を触って生物の事を学ぶ授業の様子と生徒たちのその後の進路についてや、その授業の先駆けとなった方の事などを記したノンフィクション。盲学校の生徒さんたちが素晴らしいです。骨を触ってどんな生物の骨なのかを、自分たちで骨の特徴をもとに考えていくところが素晴らしいです。目の見える私には出来ない。これこそ本当に生徒さんたちの考える力を伸ばす授業だと思いました。2020/02/06
紫羊
13
友だちからの回覧本。盲学校の理科の授業が紹介されています。心に響きました。しかもこれまで体験したことのない不思議な響き方で…何だろう、この本は!こういう感動の仕方は初めてです。2021/06/20
joyjoy
8
本書のテーマは「学ぶこと」。納得。エピローグで、先輩からもらったアドバイスについて話す生徒に、「うれしくって泣いちゃいそうだよ」と笑う武井先生。泣けました。生徒たちは、学ぶとはどういうことかを、ちゃんと学んできたんだね。体験する。発見する。伝えたいという気持ち。言葉にする。自分の言葉に。時間も手間もかかるからこその学ぶ楽しさ!「自らの体験を通して獲得した言葉は、人生にとって何物にも代えがたい価値のあるものなのだ」。学び方が生き方にもつながる。「いい授業はすてきなプレゼントのよう」。この本自体もそうだ。2021/11/03
ten_kawa
5
(2.5)盛岡で見つけて買った本。全盲の生徒たちが、動物の骨を触れながら行う生物の授業のこと。といえば簡潔に思うかもしれないが、それだけでは全然なかった。僕自身の気づきも多く結果的に面白かった本。実体験をもとに自分で考えることが学びの本質。板書を写すことは本質ではない。五感の有利不利はある。視覚の圧倒的情報量にばかり頼りきっていないか。触覚や嗅覚など他の感覚も含めて、知る、学ぶということなのだな。また、盲学校のこと、全盲の学生と大学との関わりのこと、点字のこと、など興味深かった。2024/02/23
okatake
4
臨場感あふれる授業の様子のレポートから始まる。 ここは、上野動物園にある一室。 そこでは、すでに40年以上もの間続けられてきたある授業が展開されている。 そこの参加者が手にしているのは頭部の骨。その骨を触り、生きていたときの生態を探り、答えを導いていく。 唯一の国立の盲学校、筑波大学附属視覚特別支援学校の授業である。視覚に障がいのある彼らは、自らの視覚を使わずに他の力特に手の力(触覚)を通じて、物事を見ている。また、見ることができるのである。 視覚を使わないことで、むしろ本質に迫ろうとしたという側面がある2019/05/19
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