内容説明
『エリザベート』は毎年のように帝劇や宝塚歌劇で上演される人気の演目であり、いまなおウィーンの象徴的存在である。19世紀のオーストリア帝国を中心としたヨーロッパの政治社会や文化を背景に彼女の生涯をあらためて検証することで、単なる「悲劇の皇妃」にとどまらない人物像を浮き彫りにする。特に詩作や旅の記録を通じ、彼女が同時代から受けた影響、同時代や後世に与えた影響を描き出してゆく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TATA
37
ハプスブルグ家末期の王妃エリザベートの生涯。彼女の人生をなぞるだけではなくて当時のオーストリア帝国の複雑な政治的動揺などを交えて説明。世界史選択でなかったのでこのあたり詳しくなかったのですが写真なども多くて随分と学べました。何年か前ウィーンのシェーンブルン宮殿にも行ったけどこの本読んでから行けばよかったのになと後悔。読んでみて改めて美しく生まれたことの苦難ということなんだろう。平穏な時代であれば幸福な一生だっただろうに。2024/06/10
お抹茶
3
一次史料を駆使した歴史学的な内容というより,エリザベートの中に芽生えていた「私」と「公」という伝統的な価値観の衝突で苦しんだエリザベートの人生を少し文学的に辿る。エリザベートを「三月革命前後の子」と評するように,貴族社会にさえ新しい風が吹き始めた時代。エリザベートの言葉は詩で引用する。療養(放浪)を続けたときの詩には「長い間願っていた このように夢見たいと」。オーストリアとハンガリーの危うい架け橋でもある。ミュージカル「エリザベート」で描かれていたように,エリザベートは不幸と狂奔の人生だったと実感する。2023/10/09
中島直人
2
読了2024/10/07
takao
2
ふむ2024/08/04
リトル★ダック
2
「エリザベート1878」を見て幻滅した後、いろいろ書籍をあたりました。この書籍も最近の情報を基に、書かれているようです。1883年、アントン・ロマコが描いたエリザベート皇后の肖像画を初めてみました。ヴィンターハルターの描いたのとは違って、野性味あふれる感じの皇后です。またあのリンクの工事は、ウィーン博覧会に向けて大規模な工事が行われたのは初めて知りました。でも、博覧会開始後直後に株価が暴落なんて…。2023/09/05