光文社新書<br> アートとフェミニズムは誰のもの?

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光文社新書
アートとフェミニズムは誰のもの?

  • 著者名:村上由鶴【著】
  • 価格 ¥1,078(本体¥980)
  • 光文社(2023/08発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334100148

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内容説明

アートとフェミニズムは少なくない人びとからよく見えなくなっていて、その実態がよくわからなくなっている。いわば、アートとフェミニズムは入門したくてもできない「みんなのものではないもの」になっている。もともと、「みんなのもの」になろうとするエネルギーを持っているアートとフェミニズム。理解の断絶が進む現在の状況に風穴を開けるには――。美学研究者による、フェミニズムを使ってアートを読み解く新しい試み。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

84
アートをフェミニズムの視点から読み解く本。フェミニズムで読み解くツールは、男が上位で中心、女が下位で周縁という「よそ者化」、「ネイキッド」と「ヌード」、「男性のまなざし」の3つ。それを使って、性差別的な構造や社会への異議申し立てをアートの中から発見していく。それは「見る」というよりも「読む」ものに近いアートの見方だ。→2024/02/07

buuupuuu

24
アートもフェミニズムも権威に挑戦するもので、本来はみんなのものなのだという。ところが両者とも一部の人達の独占物だと思われてしまっている。アート界隈は偉そうにした人達がお仲間で褒めあってるだけのように見られているし、フェミニストは怒ってばかりいて近づきがたく思われている。権威に挑戦するはずだったものが内向きになり、たこつぼ化してしまっているのではないか。このような問題意識を踏まえて、フェミニズムをツールとして用いるとアートをどう読み解けるか、そしてどのようにアートを実践できるかを、やさしい言葉で紹介する本。2023/12/03

みこ

22
何となく難しそうと敬遠されて理解されないアートと多くの人が分かったような気がして恐らく理解が進んでいないフェミニズム。この似た者同士を通じた近代の価値観史のような一冊。女性を異形のものとして描いたり無意識の中で女性の在り方を決めつけることは現代から見てもどこかおぞましさを感じる。表現というのは受け取り側にも最低限のリテラシーが必要なのだろうし、人類全体が考えをアップデートしていかなければならないのだろうか。2023/10/22

Iwata Kentaro

10
頂いた本。感謝。全ての蛸壺は「私は理解してほしい、しかしお前なんかに分かってたまるか」というジレンマを抱える。同じことしか言わなくなると学問はドグマ宗教に転ずるも。汎用性高し。天秤のバランスが悪い時、オモリは減らすか、反対を足すのか。2023/08/24

おおかみ

9
アートとは、フェミニズムとは何ぞやと問われると明快に説明することは確かに難しい。著者は平易な言葉で厳しく問いかける。/知識を持たない人を「わかってないなあ」と軽視し、「わからないなら黙ってろ」と排除することが実際に起こっていて、断絶を作り出しているように思えてならないい(239頁)/「エリート主義的」な論争によって「たこつぼ化」が生じているという指摘はその通りだろう。本書が述べるように、両者には本来、社会化された差別構造を批判し、解体する役割がある。この視点を理解し、鑑賞眼を養うことが第一歩になろう。2024/02/04

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