内容説明
東中野の商店街にひっそりと店を構える〈喫茶おおどけい〉。昭和レトロなその喫茶店には、今日も悩みごとを抱えたお客さんが、偶然訪れる。元気で優しい老店主ハツ子と物静かな孫のハヤテ、二人のあたたかな接客に後押しされて悩みを打ち明けると、店の大時計が不思議な鐘の音を響かせ、店内の時が昭和時代へ巻き戻る。クリームソーダ、オムチキンライス、ミルクセーキ……絶品喫茶メニューと大時計がつなぐ過去が、生きづらさを感じるお客さんたちに前を向く力をくれる。懐かしくてほっとできる、五つのあたたかな物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
184
昭和を漂わせるレトロ喫茶なら、ぜひ行ってみたい。森永の“ドーナッチョ”懐かしいわ。まだ売ってるものだと思ってた(笑)。悩みがあれば、“喫茶おおどけい”の大時計が昭和の時代にいざなってくれるぞ。何十年代に行くかはわからないけどね。たとえ、昭和に行けなくても、ここの喫茶メニューを味わいたい。生きづらさを感じる悩める子羊達よ、“喫茶おおどけい”に行くがよい。そこには、悩みを解決するヒントが間違いなくあるよ~。そして読み終えて思う。経験がなくても戦争は風化させてはならないのだと。優しく温かい物語。2023/08/16
さてさて
171
圧倒的な存在感を放つ『大時計』が物語の雰囲気感を終始リードしていくこの作品。そこには、”昭和レトロ”な雰囲気感に包まれた『喫茶おおどけい』を舞台にしたファンタジーな物語が描かれていました。提供される”食”が”昭和レトロ”な雰囲気感にぴったりなこの作品。まさかの”タイムスリップ”がそこに描かれていくこの作品。登場人物たちが”起点・きっかけ”を得た先に見るもの、感じるものが描かれていく物語はそれぞれに清々しい思いを読者にも見せてくれました。自分も『喫茶おおどけい』を是非とも訪れてみたくなる、そんな作品でした。2025/05/27
涼
68
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2025/02/post-8be9d2.html 5篇とも、同じような展開で進みます。 母からの期待に応えられない理央という少年を描いた、三話目の【包むか包まれるかオムチキンライス】が好きでした。2025/02/09
ぶんこ
63
88歳のハツ子さんが「美味しい物を食べながら、ほっとするひとときを過ごせる場所」を提供したいと始めた「喫茶おおどけい」様々な悩みを抱えた人が、誘われるように立ち寄った喫茶店で、不思議な大時計によって昭和にタイムスリップ。当時のハツ子さんたちのお喋りと美味しい物で救われる。印象的だったのが「言葉に出さないと伝わらないことは意外と多い」の言葉。自分に自信がない大雅君が、小夜さんに声をかけた場面にはウルウル。頑張ったね。大時計は、ハツ子さんのシベリアから帰らない夫なのかな。2024/05/01
Karl Heintz Schneider
60
東中野の商店街に店を構える「喫茶おおどけい」。悩み事を抱える人がフラフラと入ってしまうこの店。店の大時計の鐘が鳴るとタイムスリップし老店主・ハツ子の過去を見せられることに・・・。喫茶店・タイムスリップとくれば、頭に浮かぶのは「コーヒーが冷めないうちに」。違うのは客が自分の過去に戻るのではなく、店主の過去に紛れこんでしまうこと。そこでの経験を糧にして、何らかの教訓?答え?を手にした瞬間目が覚めて現代に戻るといった物語。なるほど確かに、ひとひねりはしてあるが、いかんせん、二番煎じ感は否めない。2023/10/14
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