可哀想な蠅

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可哀想な蠅

  • 著者名:武田綾乃【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 新潮社(2023/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103533528

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内容説明

近所で目撃した光景をツイートしたのをきっかけに絡んできた、粘着質なアカウント。芽衣子は、彼をスマホの中で「飼う」ことに決めるが――。SNSで、会社で、家の中で。どこからか湧いてくる、哀れな人たち。蓋をしてしまいたい感情。日常の裏で誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける、ブラックな短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

167
「ここは一つ、自分の心の中の真っ黒な部分をさらけだしてみなさい。」そんな事を示唆された気になる恐ろしさがあった。立場が変われば見方も変わるってもんで・・短編4話ざらりとして読了。3話目の『重ね着』姉妹間のこの感じは何となく肌でわかるような感じがした(私も二人姉妹)二話目の『まりこさん』は子供の頃に感じていたことも大人になると・・いろいろと恐ろしいね。最後の『呪縛』はどちらの女も読んでいて痛い恐ろしさ。私が一番リアルに恐ろしかったのはタイトル作。どうすればよかったの?誰か教えて。2023/10/16

シナモン

104
なかなかダークな短編集。最後の「呪縛」のまさかと思える展開。無自覚の、自分では気づかない自分。どんな人もこんな風になる可能性があると思うとゾッとして怖かった。2023/12/12

Ikutan

88
今の時代を切り取る四つの短編。武田さんらしい丁寧な心理描写で、さらっと読めるけれど独特な後味が残ります。ツイッターでの暴言や悪意。子どもの視点と大人の視点。結婚への微妙な心の揺れ。どのお話も鋭い視点にドキリと。特に最終話の『呪縛』は説得力があって、じっとりと嫌な読後感が残った。"無条件に優しさを差し出す行為は、時として他者から軽んじられる理由になる。善意を注がれ続けた人間は無意識の内に傲慢さが肥大し、やがて歯止めが利かなくなる″2023/12/20

ネギっ子gen

76
【もしも目障りなものを消し続けたら、世界は美しくなるのだろうか。その美しい世界で、自分の存在は許されるのだろうか】“可哀想”でつながるブラックな短篇が4つ。表題作は秀逸。“捨て猫いじめ”の場面を動画投稿したことで絡まれてしまった、粘着質なアカウントをめぐるお話。大学生・芽衣子の感性に強く共鳴。<幾度となく繰り返される世界からの拒絶が、ハエを怪物にしてしまうのだとするなら、私たちは歯を食いしばってでも、ハエを救おうとしなければならない。どれだけ攻撃され、不快な思いをさせられても、彼らがハエでいるうちは>。⇒2023/11/13

ゆみねこ

75
「可哀想な蠅」「まりこさん」「重ね着」「呪縛」4つの短編はどれもブラックで、心の裏側をこれでもかと突きつける。2023/10/20

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