内容説明
【電子先行配信】ChatGPTに恋したらどうなるのか。性欲を定義してロボットに実装することは可能か。スマートセックストイの利用情報は誰のものか。セックスロボットが広まるとヒトは暴力的になり、レイプが増えるか――セックスとAIについて考えることは、ヒトについて考えることだった! 最先端の知見を盛り込んだ刺激的思考実験の書が上陸。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
187
ロボットが感情的交流を錯覚させるのは事実だし、性欲を刺激するのも可能だ。倫理の問題として、誰かに似せたロボット、子供型ロボットなどがある。それらは規制するとしても、そもそも欲望に一方的に従う相手がいるのが良いこと?楽しいこと?かどうか。倫理がどこまで個人のものか私にはわからない。欲望や倫理を共有しようとする意識が、政治、家族、性行為など私達の生を包みこんでいるとしたら、AIとのセックスは、自分一人の欲望と倫理観を命綱に宇宙遊泳するようなものだ。でもそれとは別に、人は誰でも人形を愛することがあり得ると思う。2024/03/16
やいっち
66
何も高性能のロボットでなくとも、ヌイグルミやダッコちゃん人形でも人は思い入れしてしまう。南極や遠洋航海にだっちワイフ(?)を持ち込むとか。人間には想像(妄想)力がある。別に淋しさをまぎらわすためってことじゃなく、一つの新たな慰安のツールとなりうるか。それで人間関係が傷付くとか稀薄になるとかもないのでは? 自分が試すかは別だけど。 2023/10/02
ぽてち
36
なかなか刺激的なタイトルである。とは言え、生成AIは実体を持たないので、人がセックスするためには容れ物が必要になる。それがロボットだ。著者は大学の準教授で、フェミニストでもある。本書はセックストイの起源に始まり、ロボットの概念、最近喧しい人工知能について真面目に考察する。多少のエロさは感じるかもしれないが、扇情的な内容ではまったくない。ぼくにとって、セクサロイド=セックスロボットの概念はおなじみのもので、ようやく現実が追いついてきた感がある。しかしながらまだまだ実際のパートナーのようにはいかないようだ。2023/08/27
くさてる
20
他の方の感想にもあるように、これは「生成AI」というより、いわゆるセクサロイドは存在できるだろうか、ということがテーマの本です。ある種の人々にとっては単なる面白や猥褻に受け取られたり、或いは不道徳で不寛容に思われるようなテーマに、とてもまじめに、そして誠実な態度で向かい合っていると思いました。2024/05/05
信兵衛
19
著者の語りは決して堅苦しくなく、機知にもユーモアにも富んでおり、セックストイを巡る製作発想を聞いていると面白く、結構愉快でもあります。2023/12/30