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内容説明
日本の電気代はまだまだ上がる!? ウクライナ戦争で大きく変わった世界のエネルギー地政学──天然ガス輸入量の6割をロシアに依存していたドイツは、ロシアがEU諸国への輸出を全面的に止めたことで経済が大混乱した。そして、世界では新たなエネルギー供給先を求めて資源獲得競争が激化している。エネルギー自給率わずか11%で、いまだ原油の9割以上を中東に依存し、ロシアからの天然ガスの輸入も続ける日本は、はたしてこの先エネルギーを安定的に確保できるのか? ウクライナ戦争で“漁夫の利”を得た中国の台湾侵攻リスクと日本への影響は? ドイツ在住のジャーナリストからの緊急レポート!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
14
熊谷徹著書初読。エネルギーの専門家ではないが、30年以上ドイツ在住のジャーナリスト。広範囲に調べ、問題の本質を捉えているように感じる。エネルギーを制するものは世界を制すると言っても過言ではない。自給率僅か11%の日本。物価の軒並み高騰に嘆いているだけでなく、勢力図の変化にも目を向けるべき。食糧もそうだが、サウジアラビアを含む中東への石油海外依存に警鐘を鳴らす。単なる戦争反対ではなく、ウクライナに有機的な連帯感を示す必要性。一点だけ。今後の風力発電の動向も牽引するシーメンスの存在や業績が抜けているのが残念。2023/11/27
Humbaba
2
生活を営む上ではエネルギーの問題は避けては通れない。かつてはあれば効率が上がるものだったかもしれないが、現代においては欠かすことのできないものになっている。そのため安定した供給が重要になるが、算出される場所は偏在しており自分たちで手に入れられるとも限らない。状況が変わるということをよく認識した上で、どうすれば安定するのか、また、問題が起きたときにどう対応するかを検討することが必要になる。2024/08/03
Humbaba
2
エネルギーは人が生きていくうえで欠かすことのできない要素の一つである。しかし、それをすべて自国で賄えるような地域ばかりではない。自国で賄えなければ他国から輸入することになるが、その供給は安定しない可能性もある。現在問題ないからと言ってそれ将来にわたって同様であるという保証はない。自国がいくら気を付けていたとしても他国同士の関係によって大きく変わってしまうこともある。2024/02/06
ゼロ投資大学
1
ウクライナ戦争は、エネルギー資源を他国に依存する危険性を白日の下に晒した。ドイツはウクライナ戦争以前より天然ガスのロシア依存度を高めていたため、ウクライナ戦争による制裁で電気価格が2倍ほどに上昇した。日本も石油輸入の9割を中東に依存しているため、同じ危険性に晒されている。対処法としては、エネルギー資源の輸入を多くの国家に分散することでリスクの低減を図ることと再エネを促進することである。2024/08/19
ゆうろう
0
旅先で一気に読了。著者が日本での原発稼働についてどう考えているか、今一つはっきりしてないなと感じた。もちろん、地震多発国の日本が原発に頼るなど、愚の骨頂だろうに…。エネルギーも食糧も、日本は自給率向上に向けもっと積極的になるべき。これまでの貿易立国という立場から、良い意味で「内向き」指向を強める必要があるのかもしれない。2023/12/10