文春文庫<br> 江戸染まぬ

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文春文庫
江戸染まぬ

  • 著者名:青山文平【著】
  • 価格 ¥800(本体¥728)
  • 文藝春秋(2023/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167920821

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内容説明

江戸に生きる人々が織りなす鮮やかな人生。
“青山流時代小説”の真骨頂!

旗本の次男坊で部屋住みの俺は、武家であらねばならぬ、などとは思っていない。
堅物の兄が下女に好意を寄せているのを見て取って、
わざと下女にちょっかいを出そうとするが、気づくと女は身籠っていた。
しかも父親は、隠居の祖父だという。
六十九歳の老人に女で負けた俺がとった行動は――。

直木賞受賞作『つまをめとらば』に連なる傑作短編集。
史実から生まれた圧巻の7編。

※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

85
部屋住まいの次男坊に婿養子の朗報→隠居の父に報告→貸本屋の依頼で一心不乱に写本に励む父→内職の写本は禁制の風俗本だったとは知らず→御公儀の目に→江戸追放→連座制で次男は中追放→案外さっぱり清々→他藩の参勤に雇われ街道を行き来する生活→あっさり刀も捨てる→賭場で用心棒になる→賊の襲撃を撃退し有名に→刀で生きる気持ちが湧く→他の組との出入り→風見の高台での乱闘中→大砲の轟音、見たこともない黒く大きな船。武家の次男坊が仕来りに縛られることなく転々と迎えた時代の変わり目がなんともユーモラス。上手い。とても上手い!2023/08/25

Roko

30
お武家様といっても、下級武士の次男ともなると大変だったんですねぇ。婿養子の口があれば御の字だけど、そういう運にも恵まれず、ずっと実家に住み続ける厄介叔父になってしまって肩身の狭い思いをする人もいたのですね。ご隠居さんになってから、趣味と実用を兼ねて書写の仕事をしていたら、それが禁書の書写だったということで流刑になってしまったり。生きづらかった武家の人たちの話って、なんだか現代のサラリーマンとも似ているのです。2023/10/11

Y.yamabuki

22
知らなかった江戸の事情が垣間見られて面白かった。武家の次男がこんなに大変だとは。養子先が見つからなければ医師か坊主という選択肢も有るらしい。窮屈な武士の身分から解き放たれたいと思う男もいれば、武士として人生を全うしようと足掻く者もいる。武士と町人の境が、揺らいでいく。村に商売が産まれて在郷町になっていく事もある。各話、それでこの人これからどうなるの?という興味を伴った余韻を残す。ニッチな話柄を扱ったものが多いが、著者によれば、資料を当たっての地道な作業から創り上げた作品のようだ。 2023/11/13

coldsurgeon

10
江戸時代の日常にあった「史実」を題材に、江戸末期の人々の日常が描かれる。その史実は、歴史の教科書に明示されるものではなく、手記や日記に残っていたらしい出来事を史実ととらえ、現代社会に通じる人々の想いを伝える。短編集の良さで、よい終わり方を読むことができる。江戸末期の生活の匂いを嗅いだようだ。2023/09/17

tomoka

10
青山さんの文章が好きです。あとがきで「求めるのは、当たり前の日常をリアルに描いた小説です。ある日、突然、ありえないことが起きる、といった設定には手が伸びません」とおっしゃっています。そうなのです、だから私は青山さんの小説が好きなのです。2023/09/08

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