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内容説明
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北海に浮かぶ小さな島チロヌップ。きつねたちと人々の暮らしを、やがて戦争が…。
今こそ伝えたい平和への願い
北海の孤島できつねの親子が平和にくらしていました。しかし、戦争の余波は、その島にまでおよんできたのです。きつねの親子の愛や、野生の厳しさ、人間に翻弄されるきつねたちの悲哀を詩情豊かに描きます。英語版・ドイツ語版が出版され、アニメ映画でも話題をさらった物語。平和への祈りをこめて描かれた絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
262
たかはしひろゆき・作。物語の舞台はチロヌップ(ウルップ島。チロヌップ=アイヌ語でキツネ)。老漁師夫妻とキツネの一家の物語。平和な島で、キツネにとっても楽園であったはずが、密猟者にとっても宝の島であった。そんな密猟者に殺されていくキツネたちを強い哀惜をこめて描く。絵はモノクロームに時々パステルカラーを交えた柔らかなタッチのもの。声高に主張するわけではないが、静かに切々と動物愛護を訴える。2025/07/11
Willie the Wildcat
64
家族、親子の愛情。とうさんぎつね、かあさんぎつねの愛情表現。お気に入りのきつなんだけど、とても切なく、哀しい。動物も気持ちは人間と同じ!自然との共生。得撫島。今でもきつね、いるのかなぁ・・・。絵は、スケッチ調の柔らかく、優しさに溢れる。かあさんぎつねが、尻尾で傷ついた子供を温めるシーンが印象的。愛情が一杯、心に響く・・・。北方領土問題というと、”4島”と考えがちだが大小様々な島で成り立っているのを思い出させてくれる。2013/10/13
yomineko@鬼畜ヴィタリにゃん
53
著者の実体験に基づく、余りにも悲しく惨い物語。人間のせいで、こうやって貴重な野生生物の命が奪われ、自然が壊れて行く。2024/03/13
アナクマ
40
きつね一家と老夫婦の穏やかな接点。昆布で遊ぶ子狐がかわいい。そこへ兵隊、鉄の罠、銃声。◉戦争中の千島で作者が感じた「どこへも向けようのない怒り」を込めたそう。◉残されたのは、錆びた鎖と、群生しないはずの「きつねざくら」二群れ。6〜7月に咲くという白いこの花をいつか見に行きたい。2019/04/02
ダリヤ
38
わたしたちがみだしている、しぜんのながれは、わたしのいまのせいかつのながれもちょくせつではなくても、どうぶつやしぜんのながれをみだし、いのちをうばっていっています。わたしたちは、てっぽうをうち、いのちをうばってはいませんが、みつりょうしゃとおなじことをしらずにしているんだと、とてもかんがえさせられます。きつねのおやこのふかいあいじょうに、ただ、ただ、なみだがあふれました。2011/03/23