アートの値段 現代アート市場における価格の象徴的意味

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アートの値段 現代アート市場における価格の象徴的意味

  • ISBN:9784120056451

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内容説明

多くの人は、オークションに出品された有名な絵画の落札額に驚愕したり、困惑したりしたことが少なからずあるはずだ。なぜ人びとは困惑するのか? その根源には、値段が付けられる「プロセス」の不透明さがある。
 本書では、アート市場という特殊な交換の場におけるゲームのルール、「意味の交換システム」の存在を明らかにする。そして、経済学的理論モデル、インタビュー、データ分析、さらに参与観察などの社会学的方法を用いて、その特徴を分析していく。
 経済学では、商品の値段は単なる値だが、それは芸術家とその作品に「象徴的意味(信頼・名声など)」をもたらすだけでなく、アート市場の根幹をなすものでもあるのだ。



◆目次

 まえがき

序章  イントロダクション――アートの価格は単なる数字ではない――

1章 アート市場の構造――芸術はいかに商品化されるのか――

2章 意味の交換――支援と感謝の気持ちを交換する――

3章 後援者VS便乗者――ギャラリーとオークションはなぜ相容れないのか――

4章 価格の決定要因――統計分析からみるアートの諸要素と価格の関係性――

5章 値付けの技術――ディーラーは実際にどのように価格をつけるのか――

6章 価格の物語――価格はどのように正当化されるのか――

7章 価格の象徴的意味――価格に込められた意味を読み解く――

8章 結 論――価格が私たちに語りかけること――

付録A/インタビュー質問票  付録B/インタビューサンプルの解説
付録C/美術品価格の記録   付録D/美術品価格のマルチレベル分析

 参考文献  索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

42
訳者によると、本書は現代アートがどのように値付けされているのか、社会学理論と方法を用いて答えを導き出す研究(あとがき282頁)。文化経済学を学んだ(でいる)人には重要な文化社会学の邦訳書。やや美辞麗句、レトリックがなくもないとは思う。本書で提案する説明は、市場とは、文化的な集合体である(014頁)。文化的価値は文化的な信念にも依存し、消費はアイデンティティの決定要因でありその表現でもある。経済財は生命や来歴を有する。愛と気遣いが経済活動の中で顕在化することがある(023頁)。2024/08/14

Shun'ichiro AKIKUSA

6
内容は興味深く、翻訳紹介の労をねぎらいたい。ただもう少しだけ訳文が読みやすければ、もっと多くの読者をえられたのではないかと思ってしまった。参考文献としてあげられている洋書には邦訳されているものも一定数あるのだが、そういった情報が与えられていないのも少々残念だ。2024/03/29

takao

3
ふむ2024/06/15

Jey.P.

1
美術品市場の概要や、ディーラーの慣行などを調査し、分析した本。価格が何らかの意味を伝えることや、一時市場と二次市場の違いなどは労働市場にも似てると思いながら読んでいたが、実際に近い記述もあった。途中、商業製品の転売問題を連想するような話もあり、共通点が何かしらありそう。全体的に流し読み程度でまだちゃんと読めていないが、再読しそう。2023/05/01

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