内容説明
「多重人格鑑定書」が、いま日本人に突きつけられている大問題に、大きな示唆を与える。宮崎事件は日本人の「心の闇」を映しだす!――宮崎勤……一見、普通の家庭の「よい子」だった彼が、なぜ、あのいまわしい犯罪を!? 当時、新聞社の社会部記者として宮崎事件を担当した著者が、事件の背後に根深く横たわる、現代の病理に迫る。「別の島にいるような」といった、「夢の中でやったような」とも述べた宮崎勤の意識は、いま、どこを漂うのか……心は何を描いているのか……。第一審死刑判決、控訴第二審開始の情況を踏まえ、大幅に加筆修正して文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
駄目男
10
本書の出版は1997年1月。この段階ではまだ多重人格障害という概念はなかったようだ。故に著者は言いきる。「死刑と言う結論が先にあったのだ。四人の幼女を殺めた男を無罪にすることはできない。それは社会が許さない。そのためには被告が犯行時「異常」であってはならない。ところが一部の鑑定書は「多重人格」というやっかいな概念を持ちだした。不条理な概念だった。それは邪魔だった。第一、日本の精神医学会はその概念を認めていない。裁判所の判断にはそのような「前提」があったのではないだろうか」そういう点では、まさに「被害者」。2020/09/15
sasha
6
既に死刑が執行されているので、真実の追及は出来ないが宮崎勤が多重人格であったのなら合点のいく部分が多々ある。だからと言って、彼を無罪放免にすればよかったのだと言いたいのではない。犯した罪は、どんな状況であっても償うべきなのだ。2023/10/13
DVDrYAKUZA
0
「悪魔のシスター」がもうちょっと深く理解できるようになった。2009/05/28
fut573
0
再読。ちょっとブログで取り上げるために、読み返した。これを読むと心が痛い。2009/05/24