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内容説明
「日本経済が良くなるなんて思っていなかった、でもやるしかなかった」(日銀元理事)。史上最悪の社会実験「アベノミクス」はなぜ止められなかったか。どれだけの禍根が今後襲うか。水野和夫、佐伯啓思、藻谷浩介、翁邦雄、白川方明ら経済の泰斗と総合的に検証する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
56
英国上院の公聴会にリモートで招へいされた白川元日銀総裁のお話とかおもしろかったですけど。んー。これ程消費税増税しかない!消費税税増税こそ善と繰り返されると…。著者日経から朝日で経済分野で働かれてきた方だと…。それ程大事なら、何のカラクリを使ったのか知らないけど、軽減税率など導入した新聞はどうなよのと鼻白む思いでした。そもそも財政規律と消費税導入後の実際の歴史はどうだったのよと。2023/07/25
ドラマチックガス
18
自称「アベノミクスの命名者」が「アベノミクスは失敗だった」との証言を引き出すべく、各界の人々にインタビューをする…という本。MMTサイドの本を読むことが多かったので、MMTやリフレ派を完全否定し財政再建を主張するこの本はありがたかった。財政再建派の理屈、MMT・リフレ派批判の論理は難しい。ただ、と学会などから学んだ「難しいことをさも簡単そうに説明するものには注意しろ」という陰謀論対策の原則を踏まえると、原さんやこの本でインタビューされている人たちの言説こそ「難しい」で終わらせず耳を傾けるべきなのだろう。2023/10/02
青雲空
15
老後2000万円と言われ驚いた人は少なくなかった。その資金を確保したくてますます貯蓄に励む高齢者と予備軍。その結果、消費停滞・需要不足社会に陥っているという小野善康さんの説明が最も、説得力があった。 解消するには、民間ではなく公的消費で安心して暮らせる社会をつくること。医療や介護もその一環。そうすれば老人も安心してお金を使う。 祖母は80代後半になっても、いやなったからこそお金に執着していた。本人はもうすぐ死ぬなど思っていない。少しでも人生を伸ばしたい。福祉が弱かったからお金にすがるしかなかったのだ。2023/08/13
Francis
14
「アベノミクス」と言う言葉の産みの親であり、最も厳しいアベノミクス批判者である原真人さんがアベノミクスに批判的な白川方明元日本銀行総裁ら13人にインタビューしたアベノミクス批判の集大成。一人だけ違うんじゃない?と言う人がいるが、13人目の「裏切者ユダ」的な役割を与えられているわけではないですよね(^^;冗談はさておき、黒田前日銀総裁の「異次元緩和」と言う財政ファイナンスは財政破綻をもたらしかねない危険なものであるのは間違いない。巻末の水野和夫、小野善康両先生の議論は資本主義の今後を考える上で参考になる。2023/07/23
Melody_Nelson
11
アベノミクスについて、かなりの否定から、そこそこ効果もあったのでは?まで色々なインタビューがある中で、興味深かったのが前日銀総裁の白川氏だった。一番納得したのが藻谷氏で、水野氏も面白かった(但し、暗い気分にもなる)。消費行動(意欲)が下がる高齢者ではなく、消費が盛んな世代に可処分所得を増やしてもらえるような政策をすればいいのに。殆ど経済的効果がなかった上に負債を増大させたという意味で、アベノミクスは最悪だったのではなかろうか…。2023/08/24