集英社新書<br> 江戸の好奇心 花ひらく「科学」

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集英社新書
江戸の好奇心 花ひらく「科学」

  • 著者名:池内了【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 集英社(2023/07発売)
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  • ISBN:9784087212716

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内容説明

日本の科学研究のルーツは江戸時代に遡る。
長期に及ぶ政治的安定の中、人々は好奇心の趣くままに蒐集や実験、そして探究に没頭した。
その分野は数学、博物学、物理学、生物学(動物の飼育法や植物の品種改良)、花火や時計等の職人技術と、膨大な範囲に及ぶ。
さらに江戸の人々が熱中した「科学」の中には、今日の我々が失いつつある大切なものが隠れている。
本書ではそうした知の蓄積を丁寧に辿り直し、近代科学とは一線を画す「もう一つの科学」の姿を浮かび上がらせる。
『司馬江漢』『江戸の宇宙論』に続く「江戸三部作」、ここに堂々の完結。

【目次】
はじめに
第一章 和算
日本の数学の簡単な歴史/数学の三分類/「算勘碁知恵阿呆の内」/遊歴和算家/「和算」のその後
第二章 博物誌
本草学から博物誌へ/さまざまな「博物誌」学者たち/博物大名/「紅毛博物学」/私の印象に残った人たち/江戸の博物誌の終焉
第三章 園芸
花卉・花木園芸の歴史/園芸文化の広がり/奇品ブーム/江戸の農業・野菜作り
第四章 育種
鼠/金魚/鳥/虫/蚕
第五章 技術
鉄砲・花火/望遠鏡・眼鏡/時計/からくり
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

乱読家 護る会支持!

4
江戸時代の役に立たない科学に焦点を当てる本です。 テーマは江戸時代の「数学(和算)」「博物誌の成果」「園芸」「育種」「技術」。 江戸時代の人たちは、好奇心が旺盛で、あそび好きで、凝ると損得を忘れて夢中になる人たちが多かったようですね。 ⚫︎科学の発展には、「時間的余裕」「そこそこの経済力」が必要。江戸時代はその条件を満たす一定数の層が居た。 ⚫︎西洋の科学と違って、東洋の科学は「体系化しない」「人間の視点から」「幅広く、難しくもなく」「近寄りやすい」などが特徴。2024/01/22

HH2020

3
◎ 第一章和算から博物誌、園芸、育種と続き第五章技術まで、江戸時代に流行ったことがらを科学と結びつけて読み解く。当初、和算と技術が私の興味の対象だったのだが、読んでみれば博物誌、園芸、育種も同等またはそれ以上に面白かった。好奇心、変わり物、自然への慈しみ、通、芸、粋、奇、怪、などなどがキーワードに挙げられよう。現代のわれわれの科学に比べ、江戸時代の科学は「遅れた科学」ではなく「もう一つの科学」であった、という著者の論にすとんと納得した。先に読んだ渡辺京二の『江戸という幻景』に呼応したものを感じた。2023/10/11

志村真幸

0
 集英社新書の『司馬江漢』『江戸の宇宙論』に続く一冊だ。  江戸の科学や技術を、和算、博物誌、園芸、育種、技術の5つの側面から通覧した内容である。従来の発展史観を排し、江戸の科学の特徴が「役に立たないこと」「明確な目的を持たないこと」であったと位置づけている点がおもしろい。  各分野についての人物や著作が手際よく紹介されており、かなり詳しいところまで手軽に知ることができるのがありがたい。  和算の章がとくにおもしろい。役に立たないけれども発展した点を、著者が吟味し、玩味しているあたりが楽しい。2023/11/18

tnk

0
「多面的文化の一つとしての『科学』」2023/10/09

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