内容説明
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編
いまを生きる私たちの道標となる物語の誕生!
「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」
今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。
不自由で息苦しかった毎日。
家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。
多くの人から当たり前にあるはずのものを奪っていったであろう時代。
それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、
与えてくれたものが確かにあった――。
【著者より】
何かと制限され思いどおりに過ごせない毎日を、大人も子どもも、
誰しもが困難を抱えながら進んできたと思います。
そして、これから、また違う日々に向かわないといけない中で、
ほんの少しでも明るいものを差し出せる物語になれれば。
そう思っています。
明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日から――
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
473
瀬尾 まいこは、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、アフターコロナ近未来青春群像劇の佳作でした。 個人情報を盾にクラスの名簿さえ作らない学校や教師は、個人情報を悪用した陰湿な苛めを黙認し放置するのでしょうか❓ https://books.bunshun.jp/articles/-/81292023/08/06
さてさて
458
『今までになかった感染症が流行り出した』という先に主人公二人の十五年の青春が描かれたこの作品。そこには『がらりと変わった日常』に戸惑いつつも、新しい日常の中で悩み苦しみながらも一日一日を大切に生きていく二人の姿が描かれていました。いつもの”瀬尾まいこワールド”な物語とは一味違う新鮮さに満ち溢れたこの作品。小学生視点で描かれるコロナ禍の丁寧な描写の中に、私たちがこの先大切にすべきことを教えてもくれるこの作品。コロナ禍を真正面から見据えて描かれた物語の中に、さまざまな気づきを与えてくれる素晴らしい作品でした。2023/07/29
ムーミン
398
瀬尾さんならではの爽やかな読後感。コロナ禍の中、学校生活を送る子どもたちの心の内にずいぶん気を配っていたつもりでした。が、そんな中でも一人一人の中では、いろんなことが起こっていたんだろうなと、改めて振り返りました。苦しい中で生きていた子にとっても、今の自分があるのは、これまでのすべてのことの延長線上にあるんだと、納得できる日がくる事を願っています。2023/10/17
うっちー
381
コロナ禍もそうですが、東日本大震災等大きな災いも経験しましたが、とにかく前向きにとらえるしかないと痛感させられました2023/08/08
hirokun
354
★4 本の題名にあるように、学生時代にコロナ禍を経験した世代が、何らかの特質とともに、○○世代と呼ばれることになるのだろう。一番の特徴として、直接的なコミュニケーションが困難だった世代においても、やはり、本来的に各成長段階において経験する課題にさらされてきた事は間違いない。この作品にあるように、様々な課題を前向きに捉えていく瀬尾さんの作風は、私にとっての読後感を非常に清々しいものにしてくれる。2023/08/17