白鷺烏近(しらさぎうこん)なんぎ解決帖

個数:1
紙書籍版価格
¥2,145
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

白鷺烏近(しらさぎうこん)なんぎ解決帖

  • 著者名:田中啓文
  • 価格 ¥2,145(本体¥1,950)
  • 光文社(2023/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 570pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334915445

ファイル: /

内容説明

江戸時代の大坂は淀屋橋のたもとで、ぼろぼろの屋形船に住む白鷺烏近。「ご無理ごもっとも始末処」の看板を掲げ、客が持ち込む無理難題を愉快な仲間とともに知恵で解決する男だ。わがまま殿様を懲らしめるため川の流れを逆にしたり、金持ちを長生きさせるためにいる筈のない人魚の肉を探し出したりと、なんぎな依頼も白い鷺を黒い烏と言いくるめる烏近にかかれば、パッと解決。愉快、痛快な頓知の曲芸があっといわせる人情事件帖。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タイ子

72
「そんなアホな!」思わず言いたくなるのが田中作品。だが、これはミステリとしても面白い。主人公の白鷺烏近は大坂にて殿様のお小姓として仕えていたが、気性の荒い殿の機嫌にふれ今や仕事も無し、家族も無し、金も無し、住むのはボロい屋形船。ある無理難題を解決したことで「ご無理ごもっとも始末処」の看板を掲げ商売を始める。人魚の肉を持って来いだの、座敷童を連れ戻せだの解けるハズのない仕事を彼の仲間たちと解決していく。これが読んでいてスッキリ、人情噺も絡み程よく気持ちまで解ける感じ。「そんなアホな!」ラストがこれまたいい。2023/09/10

シャコタンブルー

57
「ご無理ごもっとも始末どころ いかなる難題も引き受けます」そんな看板を立てた烏近に「人形の肉を手に入れろ」「座敷童子を呼び戻せ」等、次々と難題が持ち込まれる。とても無理だろうと思える依頼も頓知と仲間の手助けで飄々と解決していく。舞台が大阪で登場人物のノリの良い関西弁もあり、まるで上方漫才を聞いているような心地よさを味わった。5編の連作ミステリーで構成されているが、一つ一つの解決方法がユニークで先の読めない展開が独特で面白かった。登場人物がそれぞれ個性的な魅力に溢れているので続編も読みたい。2023/08/31

rosetta

31
★★★☆☆田中さんの時代物は初めて読んだが実は結構書いているらしい。軽快な文章と拘ったディテールで楽しくも読みやすい。我儘な藩主の勘気に触れ侍の身分を失った元岸和田藩士の白鷺右近。大坂に出てきたものの手元不如意につき、大家の好意で捨てられていた屋形船を修理して住んでいる。持ち込まれた難儀を解決したことから以降「ご無理ごもっとも始末処」を始める。やっぱりこの人らしいバカミスや人情話など5篇で250ページと言う短さで、軽い読み物としてオススメ2023/10/27

だるま

14
時は江戸時代。大阪の淀屋橋のたもとで、ぼろぼろの屋形船の中で暮らす主人公・白鷺烏近。何の仕事も長続きしない彼は、お客の無理難題を知恵で解決する便利屋を始める。ところがお客が持ち込む難題は「川の流れを逆にしろ」とか「人魚の肉を手に入れろ」とかの無茶な注文ばかり。困った彼は仲間の協力と得意のトンチで解決しようと試みる。そんな連作短編集。お客の難題には必要性があり、それを叶える事で人生が変わったりするのが愉快。綺麗な解決も誤魔化し気味の解決もあり、大人版の『一休さん』っぽい。時代小説なのに会話が軽快なのもいい。2023/08/06

ふわりん

9
お初作家さん。男性時代小説作家さんは単発では時々読むことがあるけど、シリーズでは風野さんしか読んでない。読み始めてしばらくはそのイメージが強いので、これはちょっと文章が硬いかなという印象だった。でも設定が面白いし文章にも慣れてくると、話の内容に引き込まれていきどんどん読み進んだ。烏近以外の周りの人たちが大阪弁なんでそれも雰囲気を柔らかくしてるのかも。「なんぎ」の内容がどれもぶっ飛んでて、まぁ現実的ではない分、どう解決するんだろうと気になって読んでた。最後は続編があるのかないのか、微妙な終わり方だった。2023/08/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21436005
  • ご注意事項