法蔵館文庫<br> 安倍晴明の一千年―「晴明現象」を読む―

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法蔵館文庫
安倍晴明の一千年―「晴明現象」を読む―

  • 著者名:田中貴子【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 法藏館(2023/07発売)
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  • ISBN:9784831826510

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内容説明

怨霊都市平安京を護るスーパー陰陽師・安倍晴明。そのイメージはいかにして誕生したのか。平安時代に一官人として生きた晴明が、時代と世相にあわせて変貌し続ける「晴明現象」を追い、晴明に託された人々の思いを探る好著。

目次

表紙
目次
少し長いプロローグ――「せーめーさん」詣で
第一章 それは『帝都物語』から始まった
1 平成晴明ブームの裏側
2 陰陽師の末裔
3 実像と虚像のはざまで
4 「ホントの晴明」なんていらない
第二章 院政期における「晴明現象」
1 「晴明現象」とは?
2 院政期の晴明イメージ
3 吉備真備という人
4 安倍家の祖
5 院政期と禁忌の世界
6 命の祭り代え
第三章 近世初期の晴明――狐の母の物語
1 安倍晴明は狐の子?
2 狐の女への郷愁
3 棄てられた子という宿命
4 差別された人々と晴明
第四章 平安京は「四神相応の地」か
1 平安京は「風水都市」か
2 風水とはどのような思想か
3 「四神相応の地」を検証する
4 建都伝説
第五章 時代のなかの晴明
1 晴明の事跡と平安中期の世相
2 王朝文学にみえる陰陽師
3 賀茂光栄と晴明
第六章 晴明の「敵役」たち
1 晴明はなぜ闘うのか
2 悪人・蘆屋道満の成立
3 夢枕獏氏の小説における道満
4 その他の敵役
第七章 近代・現代文学における晴明イメージの変転
1 江戸時代のくびきを離れて
2 昭和の晴明小説
3 美貌の貴公子?
エピローグ
あとがき
参考文献
あとがきに代えて
索引
奥付
電子版奥付

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nishiyan

10
2003年に講談社選書メチエから刊行された同書に適宜、注を改め、新たに「あとがきに代えて」が収録されて文庫化された本書。2000年代初頭のいわゆる「安倍晴明ブーム」の空気が感じられ、どこか懐かしさが感じられた。主題は安倍晴明がどのように受容されてきたかを論じている。興味深かったのは院政期、近世で描かれた安倍晴明像である。現代のような超人ではなく、院政期では彼を通して異なるものを覗きたいという恐れを含む好奇心が垣間見える点が面白い。近世では「葛の葉」のような母子悲譚に変化するのだから不思議である。良書。2023/08/25

さとちゃん

7
父が安倍晴明にはまっているので手にした本書。「スーパー陰陽師安倍晴明」のイメージがどのようにして生まれてきたのか、時代と共にどのように変貌していったのかを記されたもの。研究者としてはごく当たり前の知識でも、一般人は気づいていないことも多いから、そのあたりにムズムズしたものをお持ちだっだんだろうな、と感じながら読みました。作り事は作り事と判断して楽しむ人ばかりではないですからね。学者と一般人の感覚乖離として、かつての「江戸仕草」ブームを思い出しました。2024/01/31

すいか

3
中世の説話から、近世の浄瑠璃、歌舞伎、平成のエンタメまで、創作物における安倍晴明像の変遷と背景についての詳細な考察を期待したのに、いかに平成のエンタメ特に夢枕獏『陰陽師』における晴明像が実像からかけ離れたものであるか半分以上のP数を割いていて、かなり肩透かし。言われなくても、自分を含めて作品としての『陰陽師』を愛する人々はその程度のことは知識として知っていて、その上でフィクションとして物語を楽しんでいるので、全く大きなお世話としか言いようがない。→2023/09/09

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