内容説明
日本語の「女ことば」。それは日本人に根付く「性別の美学」の申し子である。翻訳家としてドイツ語・英語に長年接してきた著者が、女ことばの歴史や役割を考察し、性差の呪縛を解き放つ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
66
【独特の助詞や間投詞をもつ、世界でもあまり例のない「女ことば」が生まれた根底には、日本独自の「性別の美学」がある】翻訳家として西洋語に長年接してきた著者が、「女ことば」が産まれた土壌と歴史的背景、また、そこから生じる日本の女と男の関係性を見つめ直した新書。<わたしたち女にとって大事なのは、明確な意思表示をすることであり、そのためには過剰な配慮をした曖昧な「女らしい言い回し」をやめるべき/この国のジェンダー格差がなくならないのは、既得権益を手放さないホモソーシャルな男社会にその最大の原因がある>と。同感!⇒2023/09/19
Ikutan
63
女ことばでは悪態がつけないし、命令も出来ない。普段意識していなかったが、知らないうちに制約を受けていたのだ。この日本独特の女ことばは、実は、明治時代以降に為政者によって推奨され、広められたという。本書は、この女ことばに着目して日本語の特徴や西洋語との比較を分かりやすく解説し、そこからジェンダー問題に言及している。また、後半は、翻訳家として日本語と格闘しながら、小説内での人物の描き分けという点にも触れている。読友さんの感想で読んでみたけれど、目から鱗のなかなか面白い内容でした。2024/08/24
とよぽん
52
平野卿子さん、ドイツ語の翻訳家だそうだ。初めて著書を読んだ。日本語の言葉遣いに潜み、幼少時から刷り込みを続けてきたジェンダー格差。「性別の美学」なる言葉を初めて目にした。日本語と西洋語を比較して、日本語にちりばめられた性差別を列挙。女を縛る魔法の言葉(問題表現)として「女らしさ」を挙げるなど、目からうろこの指摘が次から次と出てきて痛快。改めて、性差別を当たり前のように含む言葉に縛られている日本女性の立ち位置を見た。2024/09/10
アイシャ
46
女性である作者はドイツ語の翻訳者の方。男言葉を使ってのののしり合いを訳していた時に、すごく快感を感じたそうだ。確かに女ことばで悪態をつくのって難しい(たまにつきたくなる時感じていたこと)この男言葉、女言葉とは『性別の美学』に根差しているものらしい。でも結局この女言葉そのものより、女らしい言い回しというのがやっかいなものらしい。途中ジェンダー格差の話にもいってしまったが、なかなか面白い読書体験だった興味深い本や映画の紹介もありがたい。2024/07/22
おかむら
34
女性の言葉づかいからジェンダー格差を考える。著者はドイツ語の翻訳者だそう。これは面白かったよう! 女ことばでは悪態はつけない。の一例としてドラマ「ブラッシュアップライフ」で黒木華(レナちゃん)がカラオケ屋で彼氏(野間口)が既婚者だって知らされて即彼氏に電話して罵倒するシーンをあげてくれます。最高じゃねーか! 読みながら「なるほど」「確かにな」「だよなー」「やっぱな」と激しく同意で溜飲がさがりまくり。いまんとこ今年いちばん面白かった新書でした!オススメ!2024/08/18
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