内容説明
光に照らされ君といたあの時間を、ひとは”闇”と呼ぶ――。かつてジュニアアイドルの活動をしていた雪那。少年漫画の夢小説にハマり、名前を空欄のまま読んでいる。第169回芥川賞候補作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
253
★第169回芥川賞候補作&受賞作、第四弾(4/5)です。 児玉 雨子、初読です。ジュニアアイドル性搾取のリアル、ジャニーズの性加害問題にも通ずる問題作でした。若い時の様々な経験で苦しんでいる人は少なくないんでしょうね❓ 続いてラストの候補作「それは誠」へ。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031279/ 【読メエロ部】2023/07/26
いっち
127
主人公は、小学校高学年から中学生まで、ジュニアアイドルとして活動した。仲の良い友達もできた楽しい思い出。しかし、ジュニアアイドルを卒業しても、過去に撮った水着写真を理由に、バイトをクビになった。大学生の主人公は、就職活動もあやしい。名前で検索され、過去の活動がばれてしまう。名前よりも人間の本質が重要なのに、本質の前に、名前でフィルタがかかってしまう。主人公は、ネットの小説を「##NAME##」のまま読む。「##NAME##」とは読み手が自由に変えられる名前。名前なんて何でもいい、何にでも取って変えられる。2023/06/24
ウッディ
122
幼い頃にジュニアアイドルとして水着撮影を行った主人公の雪那。大人の性的な視線にされていた被害者でもあるが、大学生になってゼミ仲間や家庭教師先でネット上に曝された自分の名前がつきまとうことになる。いまいち人気がでない自分、友達からの白い目、活動への熱意の違いなど、主人公の悩みはリアルで、その苦しみは理解できたが、親の気持ちが理解できなかった。本人のためなのか、お金のためなのか、娘を他人の視線にさらすことの違和感や嫌悪感はなかったのだろうか?浅はかな親の犠牲者と割り切るには、デジタルタトゥーは重すぎる。2024/02/05
美紀ちゃん
118
ジュニアアイドル、写真のモデルと思っていた仕事は、小学生当時には気づかなかったが、児童ポルノめいた仕事だった。本名を使ってはダメ。ネットの世界に残ってしまう。バスケ部員からのいじめ。SNS上で嫌な言葉を吐かれる。夢小説→ 主に恋愛などをテーマにした、web上などで公開されている二次創作小説のうち、登場人物の名前を読者が自由に改変することができるもの。タイトルの意味がわかった。決して闇ではなかったが、自分の名前を変える葛藤。ジュニアアイドル時代の唯一の友達、美沙乃の存在がずっと残っている。じわる。2023/08/28
ひめか*
99
ジュニアアイドルだった小学生時代と、夢小説にハマって腐女子になった現在が行き来して描かれる。考えてみれば同い年で、同じ時代を生きているのが嬉しいけど、何が言いたいのかいまいちよくわからなかった。自分の児童ポルノの写真が大人になっても出回って、人生を縛っていくのはつらい。当時はわからず大人になって気づくのも恐ろしい。自分の黒歴史にもかかわらず、その頃の愛称に改名するのは私には不思議だが、その時代も含めて自分として受け入れて生きていくことの表れなのかなと思う。彼女にとっては楽しかった時代でもあるんだよね。2023/12/16
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