内容説明
少しずつ変わり始めた未来。二斗はアーティストとしてさらに大きな舞台に進むため、文化祭ライブに向けた準備を始める。
だけど彼女は知っていた。『天才』の成功は他の誰か――『凡人』の未来を壊してしまうことを。そして、その苦悩こそが彼女を縛りつけるもので……。
だから、『凡人』代表の俺は決意する。彼女を救おう。かつて逃げだした才能の化け物・nitoに、今度こそ立ち向かおうと。
青春×タイムリープストーリー、シリーズ最高潮! 未来を懸けた文化祭編が幕を開ける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
36
アーティストとしてさらに大きな舞台に進むため、文化祭ライブに向けた準備を始める二斗。苦悩する彼女を救うため、才能の化け物nitoに立ち向かうことを決意する第三弾。かつてのループで二斗が変わるきっかけとなっていた文化祭ライブ。一方で二斗が関わるメインと有志ステージの対決の勝敗が、六曜先輩の未来を壊してしまうことに苦悩する彼女のために奔走することを決意する巡。有志ステージを率いる六曜先輩の葛藤も描きながら、彼を萌音とともに助けて真っ向勝負を挑む熱い展開で、巡の決意がこれから未来をどう変えてゆくのか続刊に期待。2023/07/07
オセロ
33
五十嵐さんの二斗離れを手助けし、少しずつ変わり始めた未来。そんな中で恋人の二斗と恩人の六曜先輩の未来を分岐する文化祭編。 二斗がトリを務めるメインステージと六曜先輩が実行委員長を務める有志のステージの結果が六曜先輩の未来に関わると未来で知った巡。未来を知っているからこそ思い悩む巡と将来の為に無茶する六曜先輩。そんな2人が本音をぶつけ合ってnitoに挑む展開は胸が熱くなりました。 二斗が失踪した理由も少しずつ明らかになってきて、続きが楽しみです。 2023/07/08
わたー
26
★★★★★3巻目にして物語としての出来がより高位に上がったように感じた。前周回において、二斗のメジャーデビューと二人の交際が自然消滅する契機となった文化祭編。二斗の登壇するメインステージと集客力で勝負することになった六曜先輩主導の有志ステージ。身近な人物同士の人生の岐路に関わる戦いを前に、主人公は六曜先輩を手助けすることを選択して…という内容。誰かの夢が叶うということは、他の誰かが夢を諦めるということ。なまじ才能があるからこそ、後者の側に立ってしまうという二斗の絶望の一端に触れながら、2023/08/11
椎名
20
文化祭、vs二斗編。天才に凡人がどう立ち向かうか、の部分が強調されがちだが、視点を変えてものを見ることがしっかり描かれていた巻だったように思える。失踪という未来はまだ変えられていないものの、順調に進んでいるので解決はそう遠くないように感じられるが……。表紙をそう使ってくるかとあの挿絵には唸らされた。ループ/改変ものだからこそよりいきてくる演出で、挿絵ありきのライトノベルという媒体だからこそのやり方。素晴らしい。2023/07/11
rotti619
17
二斗失踪の解決を図る為にお互いタイムリープしているのに、協力し合わないという謎を含んだお話第3巻。二斗がメジャーデビューする転機となる文化祭のパフォーマンスだが、同時に起業の為に観客数で勝負する六曜春樹の夢を砕くイベントでもある事から、二斗の恋人でもある巡は春樹側に付くことになる。この後の展開も非常に熱かったが、その過程で二斗が巡と協力し合わない理由、そして将来失踪する理由が判明という、ここでそうくるかという内容だった。その一環として表紙の絵が意味を持つというのが、また人の興味心を刺激させてくれる。2023/07/31