内容説明
待望の二大政党時代が到来したのにメリットが実感できない。そうした幻滅の声がしばしば聞かれる。だが歴史を振り返ると、二大政党が交互に政権を担うシステムは戦前にも模索されている。大正末年の第二次加藤高明内閣発足から、五・一五事件による犬養毅内閣崩壊までである。政友会と民政党の二大政党制が七年足らずで終焉を迎えたのはなぜか。その成立・展開・崩壊の軌跡をたどり、日本で二大政党制が機能する条件を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
54
今と過去の二大政党を見比べて似ている所があるのが興味深かった。2013/03/27
Tomoichi
19
政友会と民政党。戦前の二大政党であり、政党政治を破壊へと導いた政党でもある。では何故彼らは自滅したのか?戦前に民主主義が無かったかのような左翼の言説は、彼らの政党政治の何に理由があるのか?マスコミに煽られた政治不審は何を生み出したのか?本書から学べる事は多いが、著者は政友会に対して評価が厳し過ぎないか、民政党の前史を省略するのはどうなの。これは戦後の政党政治にも関係するが、政治家の人間関係。これを理解しないと戦前戦後の政党は理解出来ない。そこの欠如は大変残念。2026/09/06
きいち
16
満州事変のあとはもう軍国主義一直線だ、と考えていた先入見が大きく違っていたことに驚く。帝国主義も侵略も、同時代の政治家たちは両党ともに古いパラダイムだと看破していたのだなあ。それに、反軍演説の斎藤隆夫も翼賛選挙でしっかりとトップ当選している。とするとやはり、一番ガンだったのは、軍部と外交や、現場と中央など、各所の利害や知見が対立した時の調停のしくみが欠如していたことだ。本来それは国会であり、政党だったはずなのに。ここでもやはり、鍵になるのは見る側であり現場で動く側である我々の冷静さ、なのだなあ。2012/12/24
fseigojp
12
最初は自由党と立憲改進党(のち進歩党)ではじまり憲政(本)党へ合流 憲政本党は旧自由党系の憲政党を分派、のち大部分を占める後者が立憲政友会に合流 憲政会と政友本党が合併して民政党へ 前者は農村基盤、後者は都市基盤2021/04/25
あんころもち
11
「憲政の常道」における二大政党制と、5.15後における両党の模索を描く。 戦前の政党政治下でも多くの政策が実行された。しかし、国内世論あるいは党利党略により憲政の常道=ワシントン体制から「逸脱」したのもまた政党であった。 膠着局面で天皇の威光に頼り、時には陸軍の主張に同調した。満州事変、5.15、2.26、国家総動員法、大政翼賛会への統合と、自滅していく。この一冊で流れがわかるというものではない。陸軍の影響はやはり大き過ぎる。そして、この時代はとにかくアクターが多過ぎる。2015/04/21




