デジタル生存競争 - 誰が生き残るのか

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デジタル生存競争 - 誰が生き残るのか

  • ISBN:9784866893129

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内容説明

何のための、誰のための、デジタルなのか?

環境破壊、社会不安、まん延するウィルス、すべてを停止させるコンピューター侵入。世界の億万長者は、自分で起こした現実からひたすら逃れることを考えます。技術開発は、集団的な繁栄を目指すものでしたが、富の蓄積は個人的な生き残りを図るものになりました。批判的であるはずのメディアは、市場感覚に圧倒されて屈服しています。自分だけが生き残る十分な資金を稼ぐ......うまく稼げたら勝利か? それは自分の排ガスから逃れるために高速で走る自動車をつくっているようなものです。このような勝手な考え・思いこみを『マインドセット』といいます。
闘わなければなりません。どうすればいいのか? 何もわからないほどに、私たちはデジタルにまみれ、自分自身を失っています。
ダグラス・ラシュコフは語ります--利己的な世界を超えて、コミュニティ、人間の相互扶助を取り戻せ、と。
この本を読み、今の自分と照らし合わせてみてください。すべて消耗品とされた私たち自身の防御がそこから始まります。

【著者】
ダグラス・ラシュコフ
1961年生まれ。米国ニューヨーク州在住。
第1回「公共的な知的活動における貢献に対するニール・ポストマン賞」を受賞。『Cyberia』/『サイベリア』、『MEDIA VIRUS!』/『ブレイク・ウイルスが来た!!』、『Throwing Rocks at the Google Bus』(グーグルバスに石を投げろ)、『Program or be Programmed』/『ネット社会を生きる10ヵ条』、『チームヒューマン』など多数執筆。『「デジタル分散主義」の時代へ』という論考が翻訳されている。

堺屋七左衛門
大阪市生まれ、神戸市在住。大阪大学大学院工学研究科電子工学専攻博士前期課程修了。日本翻訳者協会(JAT)会員、HON.jp(日本独立作家同盟)正会員。訳書『リスクコミュニケーション 標準マニュアル』(福村出版)、『チームヒューマン』『ネット社会を生きる10ヵ条』(ボイジャー)、『ケヴィン・ケリー著作選集 1』(ポット出版、達人出版会)、『マニフェスト 本の未来』共訳(ボイジャー)など。

目次

はじめに マインドセットとの出会い
1.隔離の方程式 億万長者の防空壕戦略
2.合併と買収 彼らは出口戦略を必要としている
3.母の子宮に戻りたい テクノバブルに包まれた安全
4.ダムウェイター効果 見えないものは忘れられる
5.利己的な遺伝子 道徳よりも科学主義
6.全速力で前進 非人間化と支配と収奪
7.指数関数的成長 行き詰まれば別次元のメタへ
8.説得的技術 ボタン1つで彼らを消せるなら
9.バーニングマン からの展望 私たちは神のように
10.グレートリセット 世界を救うために資本主義を救う
11.鏡に映ったマインドセット 抵抗してもムダだ
12.コンピューター的因果応報 自業自得
13.パターン認識 全ては元に戻る

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Sakie

13
どうしてこの人はこんなことを言うのか。どう考えたら目の前の困っている人を無視して宇宙や火星に莫大な私財をつぎ込めるのか。世界的IT長者に感じていることへの答えに近い。ITにせよ科学技術にせよ、一事に秀でている人は視野が狭いというか、その一事を至上として物事を考えるのだろう。利益が出るか否かが評価基準になり、資本主義が寄ってたかって誉めそやした結果、見たいものしか見ない。そしてありもしない終末に脅えて、一人の人間としては、毛布に頭を突っ込んで震えているのと変わらない。それが排他的になれる理由なんだろう。2024/03/07

冬佳彰

13
自分が引き起こした破滅的状況からひたすら逃げ、安全なシェルターを建造しようとする億万長者、それを可能にしてしまったITやVC、残され、それでもなお彼らを支持する人々。こうした「マインドセット」に毒された人間、そして世界をどのようにして変えていくべきかを書いた本。色々なヒントに満ちている。現時点、かなり重要な本だと感じる。2024/02/06

難波猛

3
#読書 ◆SNSで我々はユーザーで商品で労働力 ◆人間と機械の役割逆転(優秀な機械と軽率な人間) ◆デジタル企業と経営者は指数関数的な成長が可能というマインドセットに支配されている ◆デジタル技術の究極=パジャマ姿でいる権利(完全に制御された快適な世界) ◆勝利の性質とは自分が他者より離れた位置にたつこと(勝者総取り) ◆見境の無い成長追求が支配と独占と収奪へ ◆メディアの疑似環境に情動を操られる、個人は環境に組み込まれた仕掛け(中毒性のアルゴリズム)で鼠同様オペラント条件付けされる2023/09/03

Lian

1
あらゆる方向に喧嘩を売っていて読んでいて面白いし、私自身に埋め込まれた「マインドセット」への気づきを得られたのも良かったのだが、『サイベリア』で名を揚げた著者がデジタル社会批判をして脱成長コミュニズムみたいなこと言っているのは悲しいな……2023/07/18

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