内容説明
日本刀を鑑賞する上で、重要な見どころとなる「刃文」と「地鉄」。「地鉄」とは玉鋼を鍛錬することによって生じる「鍛え肌(地肌)」の紋様であり、「刃文」とは、刀工が焼き入れの際に意図的につくる焼刃の形状のこと。いずれも刀工の技と個性が現れた刀剣の魅力であるばかりでなく、美術品として日本刀の美しさのツボともいえるものです。
本書はこの「刃文」と「地鉄」を、実際の刀の精密な写真をふんだんに使って、様々な刃文の種類はもちろん、微妙な「映り」や「沸(にえ)」「匂い(におい)」と呼ばれる刃中の働きまで徹底的に理解できる一冊です。
目次
●日本刀部位の名称
1章 名刀を見る
名刀鑑賞 狐ヶ崎/明石國行/姫鶴一文字/虎徹
2章 刀剣鑑賞の手順
刀姿を見る/重ね・棟・鎬を見る/地鉄を見る/映りを見る/刃文を見る/帽子を見る
3章 写真で学ぶ刀の種類
「地鉄」「刃文」「働き」「帽子」
4章 刀工・刀派の特徴
古刀編/新刀・新々刀編
本書に出てくる難解な刀剣用語
あとがきにかえて─私の愛刀歴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HaruNuevo
13
刀剣に興味を持ったは良いが、何をどう観たらよいのかさっさりわからないまま半年が過ぎ、出会った一冊。 今後刀剣を観るうえで、足場となる貴重なガイドになるだろう。 これでもか、と延々と写真付きの解説が続くため、全てが頭に入るわけではないが、解説一つひとつはとてもわかりやすい。 ありがたい一冊だ。今後活用していきます。2024/01/10
kaz
1
鑑賞ポイントが多くて食傷気味だが、好きになればそれぞれの部分の美しさがわかってくるのだと思う。図書館の内容紹介は『明石國行、姫鶴一文字などの名刀を鑑賞するとともに、刀剣鑑賞の手順や刀の種類、刀工・刀派の特徴を、精密な写真を豊富に使って徹底解説。地鉄の鍛えや映り、刃文の形と構成のリズム等を総合的にじっくり観ることができる』。 2023/09/08
aoto
1
仔細な紹介がありがたい。著者の拘りの目線が記されてるのがユニーク。かつ、こんな風に刀を鑑賞したらいいんやな、ってなる。参考イラストのお兄さんがいい味。よくわかんないけど、長谷部の皆焼の模様が面白い。著者の狐ヶ崎との熱いエピソードも好きだな。2023/07/20